寄付は保護動物の医療費へ 生活困窮家庭から救われた命
アニドネではみなさまからお預かりした寄付金を認定基準通過団体へお届けした後、使途内容を詳しく聞いてレポートにしています。今回は葛飾区に一戸建てのシェルターをかまえ、都内のみならず茨城県、千葉県など首都圏近郊の収容センターから犬猫を保護するアルマさんをご紹介します。3月に139,103円、2月に228,041円、1月に 125,804円をお届けした使途について、代表の竹本様にお話を伺いました。
収容犬であふれる茨城センターから保護した犬たち
ーここ数ヶ月のアニドネからの寄付はどのように使われましたか
「保護動物たちへの医療費に充てさせていただきました。先日も茨城センターへ引き取りに行きました。センターでは相変わらず、収容犬であふれており、3月末の収容数は成犬202頭、子犬17頭でした。そこから引き取った動物たちの医療検査にも充てさせていただきました。引き取り直後は、まず基本的な医療処置、ワクチン接種や不妊手術、歯科処置等を行っています」
「この2頭の他、子犬2頭も一緒に引き取り、現在ティアハイムで他犬たちと新しい家族(迎え主さん)を待っています」
保護時の課題に初期治療の放置 重度の皮膚疾患と闘うシニア犬モコ
ー医療ケアを通して、最近印象に残ってるエピソードなど聞かせてください。
「重度の皮膚疾患を持つ11歳のトイプードルについてお話しします。3月5日に多摩支所から相談電話がありました。飼い主放棄の犬で、生活困窮者のため、長年、病院に行くことが出来なかったようです。広範囲に脱毛しており、皮膚は赤く腫れて、ひどい痒みがあるようなの早く治療をしてあげたほうが良いとの判断で、登録団体各所に相談の電話をしているとのことでした」

「事前の情報写真と、ひどい痒みを伴うことを考えると、疥癬の疑いもあります。まずは、センターで疥癬治療をしてみていただくように提案しました。週明けに他団体からオファーがなければ、アルマで引取る予定で調整したところ、やはり緊急引取のお声はかからなかったとのことで3月12日に当団体が引き取りました」

「多摩支所(東京都動物愛護相談センター)で、疥癬の治療(ドラメクチンの注射)、ステロイド投与、マイフリーガード塗布、沐浴(薬用シャンプー等)をやってくださり、だいぶ痒みは治まってきたようでした」
「その後、協力病院にて入院治療をしていただき、3月27日退院。ティアハイムにきたところです。とてもおとなしいオスのトイプードルで2.8キロと小柄です。『モコ』と名付けました。マイクロチップより11歳と確認しています」
「とりあえず、疥癬やアカラスに効く薬をまずは試して、、、その後、諸検査をしたところ『甲状腺機能低下症』が皮膚疾患をもたらしてることがわかりました。現在は内服薬チラージンを開始しています。シャンプーケアも経過をみながら、週3回程度にして様子を見ています。長年の皮膚炎も影響しているのか、角膜表面も白くなっていて、目がほとんど見えていないようです。耳にクリップ留の飾りをつけられていた過去があったようで、その留められた箇所の皮膚が壊死してしまってます。右耳は大きくえぐれて欠損し、左耳には丸い穴が開いています。古傷なので、これは元には戻りません。
幸いに現在、食欲はありますので、サプリメント(アンチノールや、モエギタブ、エイジーンなど)も入れながら、免疫力もアップしていこうと考えています。なかなかすぐにご縁は厳しいと思いますので、まずは預かり家庭が見つかれば、その方がモコくんには良い環境になるかと思っています。あまり表情がないのが寂しい印象ですが、これからお薬が効いて、元気を取り戻してほしいです」
ーこれまでたくさんの我慢を強いられてきたモコくん。これからは穏やかな毎日を過ごしてほしいですね。
「生活困窮者が抱えている犬猫の問題は、顕在化するまでに時間がかかります。やっと放棄になった際には、最悪の状態になっているケースも散見されます。他にも、会陰ヘルニアで手術代の工面が難しいとの相談や成猫2頭がネグレクト状態で室内は糞尿だらけ給餌もできておらずご近所の方が餌を投げ入れるような環境に置かれている子の相談も受けています。このような相談は後が絶えません」
保護が必要な動物たちは疾患への初期治療をまともに受けられなかったことで治癒に時間を要し、その後の医療ケアと経過観察に多くの医療費負担がかかるという課題。同じような保護犬猫たちの案件は多々あり、まだまだ支援が必要な状況です。
寄付はそんな罪のない動物たちの命をつなぐ医療ケアや不幸な動物を増やさないよう不妊去勢手術費にも活用されています。
今後もアルマさんへのあたたかいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
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