寄付したお金の使い途レポート

保護犬・保護猫 救い出した命を医療にかけて着実な譲渡へ

アニマル・ドネーションは、みなさまからお預かりした寄付金を認定団体様へお届けしています。

福島県いわき市を拠点として保護活動をしている「特定非営利活動法人 動物愛護団体LYSTA」さんへ、2023年12月に345,930円、2024年1月に212,920円、2月に147,988円をお届けしました。

今回、寄付金をどのように使われたのかお話を伺いました。

所有者のいない猫の不妊去勢手術を毎月継続

ーここ数カ月の寄付金の使い途について教えてください。

「保健所からひきとった犬猫の初期医療や、野良猫の不妊去勢去勢手術、多頭飼育崩壊・飼い主死亡等でレスキューされた子たちの医療費として使わせていただきました」

 

ー具体的なエピソードを教えてください。

「LYSTAでは所有者のいない猫の不妊去勢手術を推進するため、2015年より、月に一度獣医さんを招き、猫の不妊去勢手術を実施しています。2023年度は、これまでに870匹の猫の不妊去勢手術を受け入れました。

 

保護猫の毛玉をカット
毛玉をカットしてもらうひなちゃん

 

その内の1匹、長毛で毛玉がフェルト状になり皮膚にへばりついていたひなちゃん。毛玉で皮膚が引っ張られていたかっただろうと思います。不妊手術と同時に、全身バリカンをしてスッキリしました。被毛がない子を寒空の下に放つわけにいかないので、リターンせず保護しました。今はお部屋のなかで日向をおいかけながら過ごしています」

保健所からひきとった保護犬たちにも適切な医療を

「保健所からひきとったアンディくんは、当初フィラリア陽性で、その影響で心臓もだいぶ悪いと言われて心臓のお薬を飲んでいました。身体が大きいのでお薬代も高額でした。

治療の甲斐あってフィラリアは陰性化。フィラリア由来の肺高血圧症だったようで、その後心臓の状態は改善し、お薬は休薬してみることになりました。今後も定期的に心エコーの検査をさせていただきながら、安定した状態をキープしていけたらと思っています」

保健所からの保護犬
大きな体で甘えん坊のアンディくん

 

「御年16歳になる彦摩呂くんは、この歳になって、飼い主により保健所に持ち込まれてしまった子です。あばら骨が見えるほどやせ細っていて脱水もひどく、栄養状態が悪いことで皮膚まで栄養がいかなくなり脱毛していました。

1日3回、ふやかした良質なごはんをおなかいっぱい食べさせ、補液やサプリメントも併用した結果、見た目の状態はだいぶ良くなってきましたが、心臓が悪く、首の脇や鼠径に複数の腫瘤もあります。リンパ腫を患っています。
最初は感情がなくなってしまっている様子でしたが、今では気難しい面を見せてきたり、感情が戻ってきたのを感じます。シニア期ならではの魅力がたっぷりです。お薬やサプリメントとうまくお付き合いしながら、彦摩呂くんが心身共に充実した時間を長く過ごせるよう、見守って参ります」

 

保健所からの保護
彦摩呂くんは感情が出せるように

近年増え続ける多頭飼育崩壊にも対応

「多頭飼育崩壊にも数件対応しました。飼い主死亡の、いわゆるゴミ屋敷の現場では、ゴミで圧迫されて玄関が閉まらず、窓も落ちてきそうな家の中にとりのこされた猫のレスキューに入りました。ゴミの上にベニヤ板を敷き、その上に捕獲器やカメラをしかけました。高速で片道一時間半かけて二週間通い、最終的に52匹の猫がレスキューされました。全頭に不妊去勢手術・ワクチン・虫下しをさせていただきました」

 

多頭飼育崩壊
猫の捕獲にも悪戦苦闘

 

「また別の飼い主死亡の現場は、お亡くなりなってから時間が経っていたため、のこされていた猫たちは長く飢餓状態に置かれていました。みんなガリガリに痩せて、ごはんに食いつく様は本当に不憫でした。生きて保護された5匹の猫たちには、よく生き残ってくれたねという状況でした。喧嘩の傷で、首に穴が空いて皮膚がえぐれている子は、保護した後、皮膚が再生しました。ごはんも最初はみんな奪い合うように食べていましたが、今は安心してゆっくり食べられるようになり、健康的でふくよかな身体付きになりました」

 

多頭飼育崩壊
多頭飼育崩壊現場でおなかをすかせた猫たち

 

多頭飼育崩壊
保護された当時よりふっくらしてきました

 

ー寄付くださる方にメッセージをお願いいたします。

 

「2011年、311をきっかけに設立したLYSTAは、旧シェルターが河口の近くにあることからたびたび水害に悩まされていました。施設は『保護猫ふれあいサロンOhana』と『LYSTAシェルター』の2つに分かれて運営していますが、シェルターでは100匹以上の犬猫を保護しております。全頭を水害のさなかに避難させるのは不可能です。東日本大震災を経験した私たちが、また水害の恐れがある場所で犬猫を危険な目に遭わせることはできません。それだけ多くの犬猫を保護できる物件を探すのは困難を極めましたが、『為せば成る』の気持ちで2022年11月、無事にシェルターを移設することができました。

 

旧シェルターは代表宅の自宅敷地内にありましたが、移設先では地代家賃がかかるほか、シェルターとして使うためのリフォームが必須でした。コロナ禍の『ウッドショック』によってリフォーム費用が跳ね上がり、クラウドファンディングを通じて調達した資金で足りない部分は融資を受けて工事をしたため、毎月の返済費用が発生することになりました。
新シェルター関連費用がかさむ中で、アニマル・ドネーション様を通してのご寄付がなければ、保護した子たちに医療をかけ、野良猫や多頭飼育崩壊の対応はできていなかったかもしれません。毎月のご支援は大変有難く、とても助かっております。ご支援をいただき、動物愛護の活動にお心を寄せてくださっている皆様に心より感謝を申し上げます」

 

移設後シェルターの保護猫
新しいご縁を待つ保護猫たち

 

 

全国でも殺処分数の多い福島県で、毎月の地道なTNR活動や犬猫の保護・譲渡に奔走するLYSTAさん。記事の中でもご紹介していますが、LYSTAさんでは月次での不妊去勢手術を実施しているほか、譲渡会を定期的に開催しています。また、新しいシェルターやふれあいサロンでの譲渡も随時行っています。過酷な状況から救い出された犬猫たちが、新しいシェルターの安心安全な環境の中で、新しいご縁を待っています。

いわき市から殺処分ゼロに向けて活動する「特定非営利活動法人 動物愛護団体LYSTA」へ、寄付でご支援をお願いいたします。

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