最新活動レポート

ボランティアトリマー活動を取材いたしました!

 

犬たちの体に触れ、カットやシャンプーをする
プロフェッショナル達を「トリマー」と呼びます。
海外では「グルーマー」と呼ばれています。
この「トリマー」さんたちの中で
「ボランティアトリマー」通称「ボラトリ」という活動が
じわじわと拡がりをみせているのをご存じでしょうか?
アニドネでは、千葉県動物愛護センターで
月に一度行われている「ボラトリ」へ同行取材を
させてもらいました。
とても貴重な活動の詳細を、
参加されているトリマーさんたちの
インタビューを中心にご紹介いたします♪

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まず、活動の中心にいるのがこのお二人です。
右が「渡辺和明」さん、左が「仲田謙一」さん。

渡辺さんは、Grooming space simpleの代表、
http://page.mixi.jp/view_page.pl?page_id=105138
仲田さんはRALF LAND代表の
http://life.timetoday.net/ralfland/
共にトリマーさんです。
ソフトバンクのお父さん犬に良く似たワンちゃん「おいおい、勘弁してくれよ~」という顔をしてますね^_^;

おふたりが共に掲げているコンセプトが
「犬に負担のない美容」。
通常のグルーミングにおいても、
犬に無理をさせない、ということをとても大切にして
仕事をされています。
4年程前から始められたこの活動では
千葉で保護された犬たちの中から毎月数頭の
シャンプーとカットを行っています。
アニドネが取材をした日に参加していた
他のボランティアさんは5人。

この素敵な笑顔の方は、
アドホック株式会社に勤務されている徳丸尚代さん。
https://adhocpet.com/
参加されたきっかけは、トリマー仲間から
活動のことを聞き、「ぜひ参加したい」と。
「保護センターで保護されている犬たちのことは
もちろん知っていました。
日本のペット業界の光と闇だと思うんです。
ペット業界で働く私の使命として、この闇の
部分もしっかりと伝えて行かなければならないと
思っています。
このボラトリでは、トリミングをイヤがるワンちゃんも
多いですが、キレイにすることよりももっと大切なのが
触れ合うことだと思っています。
この活動を通じて、処分されるワンちゃんが
1頭でも減っていくことを望んでいます」

そして、フリートリマーとして活躍している
渡邊恵子さん。
この日は初めて千葉でのボラトリに参加されていました。
出張トリミング・ペットデンタルケア WILL STYLE
http://ameblo.jp/willstyle-trim/themeentrylist-10068989844.html
実は渡邊さんは7年ほど前に東京の愛護センターで
同じくボラトリを始められた方。
とても真摯にボラトリを行う意義を語ってくれました。
「東京で始めた責任があります。
行政によって事情はまったく違うと聞きます。
千葉がどのような状況なのかも知りたくて
今日は千葉の活動に参加しました。
トリミングを専門学校で学んでいた学生の頃、
文化祭への課題出展という目的のため
訪問した愛護センターで衝撃を受けました。
かわいいペット、というイメージからは
かけ離れた現実がそこにはあって、、。
ですが、それは現実だし、
いまも処分されている事実はあります。
トリミングというのは私の仕事ですが、
なぜトリミングをしているのか、という意味おいて、
このボランティア活動は私にとって
原点に戻るという意味もあります。」

参加された中でトリミングの勉強中の方もいました。
デルファイスというペットセレモニーアドバイザーである明澤潔さん。

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自身がペットロスになった経験から、
ペットとの別れを専門とするお仕事をするようになった方です。
今回参加されたのは知人からの紹介で、始めて、ということでした。
「私はトリミングの勉強中なので、
今日はヘルプの役目です。
みなさんは本当にプロの技術をお持ちだと思いました。
カットやシャンプはもちろんですが
まずは接し方が違うんだと思いました。
犬の体への触り方が違うんだと思います。
コーミングひとつにしても、
犬が怖がらないマイナス要素の少ない
トリミングをされてると思いました。
すごいですよね」

動物病院で看護士 兼 トリマーさんとして
お仕事をされている古川絵美さんです。
東京の愛護センターでボランティアトリミングを
されている渡邊さんと一緒に活動をされていて、
この日は始めての千葉での活動でした。
「保護される動物は少なくなってきているとはいえ、
まだまだ多いと思います。
私たちは休みの日にこのボランティアをしているわけですが、
貴重な経験をしていると思っています。
病院勤務だけでは判らないことを知ることができます。
今後も続けていくつもりです」

アドホックに勤務されている、工藤由香さん。
「フェイスブックでこの活動のことを知りました。
私自身、保護された犬と暮らしており、
活動にはとても興味がありました。」
実は取材中、工藤さんはずぅーっと
この白いわんちゃんを抱っこしていました。
この子はトリミング室に入る際に
ちょっとびっくりしてしまったようで、
その動揺を落ち着かせるため、
人間はけっして怖いものではない、
ということを伝えるため抱っこされていました。
そして、だんだんと落ち着いてきた様子でした。
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トリマーさんの皆さんは本当に明るく前向きに
ボランティアに取り組んでおられました。
少ない休みの日を使って、保護動物に向き合う、というのは
なかなか出来ることではないと思います。
ですが、動物が好きでトリマーになった以上は
保護されている動物のためにも何かできる事をする、という
とても強い意志を感じました。

保護センター内にある1室を使わせてもらってカット&トリミング&シャンプーです。道具類は寄付でいただくことが多いそうです。
とても楽しそうにしていたわんちゃん。みんなに愛想を振りまいていました。
毛の鎧をつけていたわんちゃん。さっぱりしました。
コロンコロンと転がりお腹を見せ続けてました。渡辺さん曰く「この子はとてもフレンドリーな性格の子。ただ、抱っこはされなれてない感じがします。この毛は1年はカットしていないかなーと思います」
カットの途中ですが、ニコニコと嬉しそう。カットしてもらってさっぱりしたのでしょうね。
臨時トリミング講習のような時間もあります。プロ同士ならではの会話です。「いや、このカットはこうするといいよ」。このプードルは前月に渡辺さんがカットした子らしく「すぐ里親さんが見つかると思ったけど1ヶ月たって、また会っちゃいました」

トリミングされた子たちは、譲渡される可能性が
高い子達だそうです。
やはりよりキレイにしていたほうが
里親希望者が増えることでしょう。
こういった活動もあって、
徐々に処分数は減少しています。
ですが、まだまだ日本全国で毎日約500頭の犬猫が
殺処分されています。
もっともっと減らしていくことはできますよね。
このボランティア活動を取材させていただいた感想として
とても素敵だし、貴重な活動だと心底思いました。
千葉愛護センターの協力姿勢もすばらしい、と感じました。
カットとシャンプーで犬に人間の良さを伝えることは
トリマーさんでしかできません。
一度捨てられたわんちゃんたちに、
もう一度「人間って悪くないな」と思わせる
この活動が全国でも広がるよう、
アニドネでもサポートをしていけたらと思っています。
具体的には、この活動の目的の共有、
フローの仕組み、受け入れ行政の開拓、
全国のトリマーさんたちへの講習会など、
さまざま乗り越えなければならないことがあると思いますが、
カタチにしていけるお手伝いができたら、、と強く思いました。
ボランティアトリミングにご興味のある方や
参加されたい、と言う方は
上記でご紹介した、仲田さん、もしくは渡辺さんまで
お問い合わせをください!