アニマル・ドネーションでは、皆さまからお預かりした緊急支援基金を10頭以上の多頭飼育崩壊レスキューに入り5頭以上引き取られた団体様へお届けしています。
2026年7月に多頭飼育崩壊現場からレスキューした『新潟動物ネットワーク』さんに、緊急支援基金として9月30日に60,000円をお届けしました。
今回は、レスキューの詳細と基金の使い途について、スタッフの村山さんにお話をうかがいました。
5年前も同じ家で。入院した80代男性が残した14頭
ー多頭飼育崩壊のレスキュー依頼はどこからありましたか?
「愛護センターより共同案件として依頼がありました。愛護センターへの相談は飼い主さんの息子さん夫婦からでした」
ーどのような経緯で多頭飼育崩壊が起きたのでしょうか?
「飼い主さんは80代後半の独居男性です。5年前の2021年にも猫の手術をせずに家と外を出入り自由で餌やりを続け、多頭飼育崩壊で近隣より相談がありました。そのときも10頭以上のTNRと保護をして一度は解決したはずの家ですが、その後も同じように餌やりを続けた結果、増えてしまったようです。
今回は飼い主さんが入院してしまい、何日か過ぎた頃に敷地内同居の息子さん夫婦が、残された猫達を何とかしてほしいと愛護センターへ相談されました」

水は藻でヘドロ化、フードの容器は空っぽのまま
ー現場の状況を教えてください。
「残された猫達には餌が与えられず、どの子もやせ細りガリガリでボロボロの状態でした。
飼い主さんの家は古く、猫は自由に出入りできる状況でしたが、今回、その家の隙間が閉じられ、猫が入れないようになってしまいました。猛暑の日も雨の日も、猫達は敷地内ではありますが、外で暮らすしかありませんでした。
外に置かれたフードの容器は空っぽで汚れ、水の入った甕や器はどれも藻がびっしりと付き、黒く濁りヘドロ化して、とても飲める状態ではありません。大変過酷で悲惨な環境です」
全頭は救えなかった。それでも残る猫に約束を交わして
ーレスキュー内容を教えてください。
「捕獲したのは14頭です。そのうち3頭の子猫は愛護センターが引き取り、保護先が見つかった6頭をNDNが保護、4頭は手術後にリリースとなりました。
保護した1頭は草の陰で意識が無くグッタリと横たわっているところを発見され、愛護センターへ運ばれる途中で息を引き取りました。ノミがびっしりと張り付き、強度の貧血との診断でした。連日の猛暑の中、餌もなく水も飲めず、とても苦しんでいたと思います。
捕獲した猫達は出来るだけリリースせずに保護したい気持ちでいっぱいでしたが、全頭を救うことはできませんでした。

飼い主さんは帰宅の目処が立たないということで、NDNで中猫、成猫には手術を行い、数を減らすべくセンターとNDNで保護をすることを条件に、息子さん夫婦にはリリースした4頭の餌やりを最後まで継続し面倒をみることを約束してもらいました。どこまでお世話を続けられるのか不安要素はありますので、今後は時折、愛護センターやNDNスタッフがフードを持参しながら様子を見ていくことになりました。
また、少しでも医療費などの負担をしてほしいと交渉し、手術代の一部を負担していただきました」
一時は命が危ぶまれた1頭、投薬治療は今も続く
ー緊急支援基金はどのように使われましたか?
「不妊去勢手術代、保護に掛かる健診、内外駆虫、ワクチン接種、ウイルス検査、餌代、砂代等に使わせていただきます。
また、保護した猫に溶血性貧血の疑いが見つかり、現在投薬治療を行っています。少しずつ改善しておりますが、一時は命が危ぶまれる状態でした。これからもこちらの病気治療にも使わせていただきたいと思います」

ー最後に、支援者の皆様にメッセージをお願いします。
「いつもNDNへのご支援をいただき、誠にありがとうございます。
多頭飼育崩壊現場は良い環境など一つもありませんが、今回手術してくれた先生から、こんな悲惨な状況の猫は初めてです、と言われるほど状態の悪い猫達ばかりでした。ノミ駆虫薬を付けると猫の毛の間からごま塩みたいにノミがボロボロと落ちてきて、どの子もかなりの貧血でやせ衰えていました。
亡くなった子のことを想うとどんなに苦しかったことかと胸が締め付けられますが、その子の分まで他の子には幸せになって欲しいと願っています。保護された猫達は今は安全な家の中で快適な環境でお世話されています。お腹いっぱいご飯を食べて元気になってもらい、良いご縁を結べるよう頑張ります。
猫たちの命が救えるのは、応援してくださる皆様からのあたたかいご寄付のおかげです。猫達の医療も保護もご支援があるからこそ行うことができます。心から感謝申し上げます。これからもどうぞ応援のほどよろしくお願い申し上げます」

「新潟動物ネットワーク」さんは、一度手が入った現場が再び崩壊してしまう難しさとも向き合いながら、猫達の命をつなぎ続けていらっしゃいます。活動への皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。
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