アニマル・ドネーションでは、皆さまからお預かりした緊急支援基金を10頭以上の多頭飼育崩壊レスキューに入り5頭以上引き取られた団体様へお届けしています。

2021年3月~2022年1月にかけて多頭飼育崩壊レスキューを行った保護団体『一匹でも犬・ねこを救う会』さんに、緊急支援基金として757,546円をお届けしました。

今回は、レスキューの詳細と基金の使い途について、スタッフの滝田さんにお話をうかがいました。

飼い主は元・日本犬保存会会員。124頭の柴犬をレスキュー

長野県上田市を拠点に猫の保護活動を行っている『一匹でも犬・ねこを救う会』さんが実施した長野県東御市の多頭飼育崩壊レスキューは、2021年3月~2022年1月という長期間に及びました。

ー多頭飼育崩壊のレスキュー依頼はどこからありましたか?

「今回は行政です。東御市と上田保健所から依頼がありました

ーどのような経緯だったのでしょうか?

「飼い主は元・日本犬保存会の会員で2015年頃に東御市に移住してきました。かつてこの飼い主はワクチンを有料で請け負っており薬事法違反の前科がありました。当初から犬の鳴き声、異臭で近隣住民から保健所や市へ相談があったそうです。行政から当会に相談があったのは2021年2月。それから二転三転する飼い主の言動に翻弄されながらも粘り強くコンタクトを取り、自宅奥から連れてくる犬を数頭ずつ引き出し、里親探しをしていました。2021年11月、東御市の機転で介護ベッドを入れる際に初めて室内に入ったところ、大変な状況を目の当たりにしました。当会だけでは対応できる規模ではなかったため、県外の愛護団体にも協力要請をし、一斉レスキューの計画を立てました。保健所、東御市、長野県動物愛護センターの協力を受け、計画を決行したのは12月のことです。合計124頭の柴犬が室内にいたのです」

ー室内の状況を教えてください。

「犬の糞が30〜40センチほど蓄積し、異臭が鼻をつきました。日用品が天井からぶら下げられているのも目に入りました。踏まれたり喧嘩したりして怪我を負っている犬たちも数多くいたのですが、飼い主は事の重大さの認識があまりないようでした。

不衛生な室内には124頭の柴犬が

飼い主はメディアの取材に『自分も若かったからね、お金が欲しかったからね』と話していました。

この多頭飼育崩壊はyahooニュースやテレビでも取り上げられ、里親希望の申し入れを全国からたくさんいただきました。当会からの譲渡は、コロナウイルス感染症レベル6を受けて長野県内に限定し、県外からの里親希望は長距離の移動に耐えられる成犬を引き受けていただいた7箇所の協力団体へ引き継ぐことにしました。一般の方々からいただいた寄付は、協力団体へのフードや物資に使わせていただきました」

レスキューされた柴犬の多くは、現在、里親さんのもとで幸せに暮らしている

ー今回の寄付の用途を教えてください。

「保護した犬の医療費や食費に使わせていただきました」

多頭飼育崩壊はみんなで考えるべき問題

ー長期間にわたるレスキューでしたが、今後の課題についてお聞かせください。

「まず、日本犬保存会の在籍会員にはこの状況を共有させてもらい、上層部で話し合いを持って欲しい旨を申し送りしました。また、一斉レスキューの際、長野県の動物愛護センターの協力もあったのですが、センターの犬舎は有事のためにという理由から使用させてもらえませんでした。ですので県の動物愛護センター利用について、多頭飼育崩壊のレスキューも事業内容に付け加えていただくよう、パブリックコメントを入れさせていただきました。

今後に向けて住民・行政・ボランティア三者の協力体制、連携強化を進めるべく、2022年の5月には議員さんも巻き込んだ勉強会を企画しています。

今回のレスキューでは、初期に警察と一緒に踏み込む選択をあえてしなかったため(所有権に阻まれてしまい、犬たちの安全な保護を優先できなくなるため)立件するのは難しいのですが、啓発としての効果をねらって告発する予定もあります。

今後このような場合でも初期に警察の捜査を入れつつ、動物たちを安全に保護できるように訴えていかなくてはならないと実感しました」

ー最後に、支援者の皆さまにメッセージをお願いいたします。

いつも助けていただきありがとうございます。多頭飼育崩壊を防止のためにはどうしたらよいのか?何ができるのか?皆様も少しでも考えていただければと思っています

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