アニマル・ドネーションでは、皆さまからお預かりした緊急支援基金を10頭以上の多頭飼育崩壊レスキューに入り5頭以上引き取られた団体様へお届けしています。
2025年11月から2026年2月にかけて、複数回多頭飼育崩壊現場からレスキューした『新潟動物ネットワーク』さんに、緊急支援基金として4月30日に110,000円をお届けしました。
今回は、レスキューの詳細と基金の使い途について、スタッフの井上さんにお話をうかがいました。
2024年、全頭手術を実施したはずだった
ー多頭飼育崩壊のレスキュー依頼はどこからありましたか?
「愛護センターより、当事者の隣人から相談が入ったと連絡がありました」
ーどのような経緯で多頭飼育崩壊が起きたのでしょうか?
「2024年1月、お隣から流れてくる猫が子猫を4頭産んで居つくようになった。このままでは増えてしまうと相談が来ました。

お話を聞いてみると、隣のYさん70代、独居女性の家に沢山の猫がいて、鳴き声がうるさいと猫の一部を外に出しているとのことでした。このままでは多頭崩壊になってしまうため、愛護センターと協力し全頭の手術をしました。
Yさんは仕事はしていますが経済的に余裕はなく、手術代を捻出することは不可能な状態。2023年ころ、本人が新潟県の手術助成金を申し込み、何とか猫を減らそうとはしていましたが、お金が捻出できず手術には至らなかったということでした」
2025年11月、また新たに子猫が生まれている
ーしかし、再び相談が来たのですね。
「2025年11月、Yさんが、また新たに家の中にいた子を外に出し、子猫も生まれている様だと連絡が入りました。昨年と同様に未手術で外に出していたことが分かりました。
家に入ると1年前に対応していた時よりも中の状態がひどく、猫の数も爆発的に増えていて『猫を外に出さない約束』が守られていませんでした」

トイレは2個だけで糞尿まみれ、からっぽの餌皿
ー現場の状況を教えてください。
「猫の数が多く、本人も頭数を把握していない様でした。まずは今後の手術に向けて段取りを組むこと。次に風邪引きの子猫たちを保護すること。乳飲み子と、その母猫を保護することが最初の目的でした。
しかし家の中に入ってみると、猫たちは家じゅうを走り回り、大パニック状態。乳飲み子の母も分からない。手づかみで捕まえられる子は捕まえて、捕獲器も使いましたが目的以外の子ばかり入り、混沌とした状況になってしまいました。
トイレは、これだけの数の猫に対して家の中に2個だけで糞尿まみれ。圧倒的にトイレの数が足りていません。トイレに入っている山盛りの砂が、ほぼ全部固まってスコップが入っていかないという大変な事になっていました。
ご飯のお皿はからっぽ。猫たちは皆、お腹を空かせてご飯を待っていて可哀想でした」

低体温症と脱水症状、入院治療が必要だった乳飲み子
ーレスキュー内容を教えてください。
「全頭数14頭のうち、TNRが2頭、NDNで11頭を保護しました。残念ながら乳飲み子1頭が風邪のため亡くなりました」
ー緊急支援基金はどのように使われましたか?
「未手術猫の不妊去勢手術代、保護猫の内外駆虫代、ワクチン代、ウイルス検査代、保護のためのフード、砂代として使わせていただきました。
乳飲み子2頭のうち1頭が風邪のため亡くなってしまいましたが、もう1頭に風邪症状が出ていて病院に連れていきました。低体温症と脱水症状のため入院となりました。こちらの入院治療代も支援金を使わせていただきました」
ー最後に、支援者の皆様にメッセージをお願いします。
「いつもご支援いただきありがとうございます。今回は独居の高齢者が自分で責任を持てる限度を超えて猫を増やしてしまった案件でした。
2024年の時点では臭いはあるものの整然としていた部屋が、2025年11月には、かなりの荒れ具合でした。子猫は何頭も育たず亡くなっていたとのこと。正常な判断がつかず、飼い主自身も、どうして良いのか分からなかったのだと思います。
手術が完了して本来であれば猫が増えるはずのない現場での多頭飼育崩壊。手術して終わりではなく、寂しさから猫を心の拠り所にする人との関わり方や見守りについて考えさせられる一件でした。
ご支援のおかげで今回もたくさんの猫を救うことができ感謝いたします」

「新潟動物ネットワーク」さんは、一度解決した現場にも再び向き合い、根本的な解決を目指しています。活動への皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。
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