愛知県にある日本福祉大学でアニドネがゲスト講師として講義を行いました。
日本福祉大学は、将来福祉の世界で活躍することを目指す学生さんが集まる大学。
人や社会の福祉について意欲的に学ぶ学生さんに向けて、日本の動物福祉の現状についてお話しするという貴重な機会となりました。
講義に伺った日本福祉大学の美浜キャンパスがあるエリアは、愛知県で鶏や牛を中心とした畜産業が盛んなエリアでもあり、普段から産業動物に親しみがある学生さんを中心に、動物福祉についての講義を楽しみにしてくださっていました。
学生さんには、事前の課題として
・アニドネのHP内にあるAWGsのページを閲覧する
・「動物介在活動」、「アニマルウェルフェア」「AWGs」それぞれのキーワードを調べる
の2つに講義開始前に取り組んでいただきました。

テーマは『動物福祉を学ぼう〜日本の課題に触れ、自分にできる一歩を考えよう〜』
テーマは『動物福祉を学ぼう〜日本の課題に触れ、自分にできる一歩を考えよう〜』
すでに人の福祉について学びを深めている学生さんたちに向けて、動物福祉とは何かをじっくり学んでいただける内容にいたしました。
日時:2026年7月7日(火)15:10~16:40
会場:日本福祉大学 美浜キャンパス
対象:1年生
参加人数:約60名
テーマ:「動物福祉を学ぼう〜日本の課題に触れ、自分にできる一歩を考えよう〜」
講師:アニドネセミナー担当 粂ひとみ

日本で今起きている「犬猫問題」
日本における犬猫の飼育頭数や、飼育率、最近の人気犬種の傾向など、犬猫についての基本情報をお話しした後、日本の犬猫を取り巻く3つの大きな課題についてお話ししました。
アニドネでは、
・野良犬・野良猫問題
・犬も人も高齢化している問題
・多頭飼育崩壊問題
この3つを特に問題視しています。
コロナ禍で起きた多頭飼育崩壊の現場や、飼い主さんが亡くなったあと保護団体がレスキューに入った現場を紹介しながら、日本で起きている現状について紹介をしました。
飼い主さんに愛情はあっても、知識が伴わず飼いきれなくなってしまうケース。
飼い主さんの死亡や入院で、家族と連携が取れず、犬猫が取り残されてしまうケース。
畜産の廃業と共に、犬が置き去りにされてしまったケース。
どれも人の問題に、犬猫が巻き込まれてしまっているという共通点があります。
学生さんたちは、メモをとりながら真剣な表情で聞き入ってくださいました。

動物福祉って何?他の先進国ではどんな法律があるの?
講義の後半は、いよいよ動物福祉について深く学びます。
EU諸国やアメリカなど他の先進国の法改正を見ながら、日本と海外の動物を取り巻く法律の違いについて学んでいただきました。
アニドネには、リーガルリサーチチームという海外の動物に関する法律をリサーチするチームがあります。
リーガルリサーチチームが調査した、世界の動物福祉に配慮した法律を複数紹介しながら、
犬や猫はもちろん、牛や鳥などの産業動物の扱いが、世界ではさらに動物福祉に配慮した方向へ制度が進んでいることなどをお伝えしました。
「世界はこんなに違う 動物の法律」

動物介在活動の事例をシェア
アニドネが支援する認定団体さんは全国各地にありますが、日本福祉大学のある愛知県にも3つの認定団体さんが活動を頑張っていらっしゃいます。
その中でも、犬が本来持つ能力を発揮しながら医療や福祉の現場で人のサポートをする「動物介在活動」について紹介をいたしました。
愛知県長久手市を本拠地とする日本介助犬協会で訓練をした犬たちが、裁判所で性被害者の少女に同行した事例や、児童精神科で治療にくるお子さんやご家族に寄り添い、勇気づける事例をお話ししました。
将来福祉の現場で活躍することを目標にしている学生さんも多く、どの学生さんも興味を持って真剣に聞いてくださいました。

講義後に届いた学生さんからのレポート
講義終了後には、学生さんからたくさんの質問をいただきました。
「産業動物の福祉は、利益よりも優先されるべきですか?」「動物が心地よい環境を作ることで、最も大きなメリットはなんだと思いますか?」など、真剣に講義を聞いてくださったからこその素敵な質問ばかりでした。
質疑応答は、オンライン方式。
大勢の前で手を上げづらい学生さんや、聴覚に不安がある学生さんにも配慮した福祉大学ならではの取り組みでとても良いアイデアだなと感じました。
また後日レポートも作成くださり、感想を送ってくださいました。
「動物福祉という言葉を今回初めて知りました。動物を取り巻く問題の多くは人間側の問題であり、日本は海外に比べて制度や意識がまだ遅れていることを学びました。人と動物が共に生きていくために、一人ひとりが責任を持つことが大切だと感じました。」
「『犬猫の問題は人間の問題』という言葉がとても印象に残りました。高齢化や貧困、飼育知識の不足など、人間の課題が動物福祉につながっていることを知り、動物だけでなく人の福祉とも深く関係していることを学びました。」
「海外では動物にも感情があることを前提とした法律や制度が整えられていることに驚きました。日本でも動物を『命ある存在』として尊重し、人と動物がともに幸せに暮らせる社会づくりが進んでほしいと思いました。」
「動物福祉とは、動物をかわいがることではなく、動物が心身ともに健康で安心して暮らせる環境を整えることだと学びました。今回の講義を通して、自分にできることから命を大切にする行動を心がけたいと思いました。」
学生さんが、今回の講義を受けて、自身に出来ることを真剣に考えてくださったことが伝わる素晴らしいレポートをいただきました。
「人のことすらまともに上手くいかない社会なのに、動物に考えを向けること」
また、講義の最後に、今回の講義を担当している日本福祉大学の亀山先生がおっしゃっていた言葉です。
「人のことすらまともに上手くいかない社会なのに、動物にまで考えを向けること。それ自体が本当にすごいことだと思います。私は福祉のプロとしてこの大学で長年教えているけれど、大学でも動物福祉を学べる講義はまだないと思う。当たり前に学べるようになったらいいと思います。」
アニドネとしても、今回、福祉を学ぶ大学で講義をさせていただけたことは、とても貴重な機会でした。
動物福祉は、動物だけの問題ではありません。高齢化や貧困、教育、地域とのつながりなど、人の福祉と深く結びついています。だからこそ、これから福祉の現場で活躍する学生さんたちに、そのつながりを知っていただけたことには大きな意味があると感じています。
今回の講義が、学生さん一人ひとりにとって、動物福祉を「自分ごと」として考えるきっかけになっていたら、これほど嬉しいことはありません。
アニドネはこれからも、未来を担う学生の皆さんや教育機関との連携を大切にしながら、日本の動物福祉をより良いものにするための学びの機会を届けてまいります。
日本福祉大学の皆さま、そして熱心に耳を傾けてくださった学生の皆さま、本当にありがとうございました。

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