寄付したお金の使い途レポート

多頭飼育崩壊 猫たちが温かいご飯に駆け寄る日

アニマル・ドネーションはみなさまからお預かりした寄付金を認定団体様へお届けしています。

アニマルサポート高知家』さんは、高齢化率全国トップクラスの高知県で毎年100頭を超える保護犬猫を保護し迎え主さんへとつないでいる保護団体です。人と動物が幸せに暮らせる社会の実現に向けて、一人でも多くの方に譲渡会に参加いただくことで活動の輪を広めています。

『アニマルサポート高知家』さんに、2025年5月に336,054円、6月に40,407円、7月に518,604円をお届けしました。

今回は、吉本由美理事長に寄付金の使い途等を伺いました。

 

多頭飼育崩壊 エイズと闘う猫たちを支える

―今回の寄付を何にお使いになりましたか。

「多頭飼育崩壊で取り残された48頭の検査費・治療薬・フード代・不妊手術(うち44頭)のほか、現在までに保護した75頭の犬猫の検査費・治療費・フード代に使わせていただきました」

 

―先ず、現在までに保護した75頭の犬猫は現在どうなっていますか

「現在54頭が正式譲渡になりました。ご支援いただいた寄付金で犬猫たちにおいしいご飯と安全な場所を提供することができ感謝しています。常時OUENスペースで譲渡会を開催していますので誰でも気軽にお立ち寄りください」

 

生体の展示販売を中止したペットショップ『アシスト南国』店内の常設譲渡施設『ouenスペース』

 

―今回の多頭飼育崩壊の現場について詳しく教えてください

「きっかけは今年の3月、県外で暮らす亡くなった方のご親戚からの連絡からでした。

『飼い主が亡くなりたくさんの猫が取り残されていて数日間そのままにされている、お世話に入ってくれる人もいない助けて下さいませんか』

急遽スタッフ3名で水とフードを持って現場に向かいました。お腹を空かした猫たちの鳴き声とご飯に群がる姿は今でも忘れることはできません。

 

おなかをすかせ駆け寄る猫たち
ご飯を食べる猫たち

 

飼い主さんは猫の繁殖を止められず多頭飼育崩壊に陥り自らの生活も破綻。生活保護を受けていましたがほとんどが猫の餌代だったと思います。電気や水道が止まり(井戸水)、県外の親戚に生活費を借りに行っていたようですが、やがて頼る人もいなくなり地域からも孤立、猫のフードも買えず自らが食べるご飯もなくなったようでした。亡くなった日はちょうど市の福祉担当職員さんの訪問日だったようです。取り残された猫たちのことも思いやる人がいなかったのか。あと数日遅かったらどんな状況になっていたのか…本当にやるせない気持ちでした」

 

―取り残された48頭について教えてください

「48頭中(外猫7頭含む)1頭は近くの地域猫だと判明し元いた場所に帰っていきました。乳飲み猫2頭が亡くなり、6月には成猫1頭も亡くなりました。まずとりかかったのは糞尿がこびり付く部屋の掃除、そしてこれ以上の繁殖を防ぐ為に残り44頭の不妊手術を行いました。次に譲渡会で里親さんに繋ぐ予定でしたが残念なことにほとんどの子がエイズ陽性だったので2頭のみ里親さんへ譲渡、そして2頭はアニマルサポート高知家で保護し、残りの40頭は飼い主の居ない元のお家に住んでいます。残りの40頭は基本保護しない方向です。この子たちは居場所がありますし今まで住んでいた場所で皆と暮らしてもらおうとメンバーで相談して決めました(アニサポが保護するのは行き場のない子が優先になります)。幸い広い一軒家で6部屋で自由に暮らしています」

 

最年長エイズのふくちゃん
元気になった最年長ふくちゃん
タワーで遊ぶ猫たち

皆様のご支援が生きたいと願う命を繋ぎます

―寄付してくださる方へメッセージをお願いします。

「この活動をしていると飼い主の事情で犠牲になる犬や猫がたくさんいることに気が付きますし、なによりその人の人生に関わることになり辛い現実を知らされます。特に多頭飼育崩壊でこれまでも悲惨な状況を見てきましたのでいつも一歩踏み出すのが怖いです。月並みですが人も動物も幸せにくらす社会を願ってやみません。日々保護活動をする中で、私たちの活動にご理解頂きご支援してくださっている方々の力が大変励みになっています。本当にありがとうございます。これからも温かいご支援を何卒よろしくお願いいたします

ぜひ、アニマルサポート高知家さんのご紹介・ご寄付のページも併せてご覧ください。

アニマルサポート高知家さんの日々の活動はブログでもご確認いただけます。

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