一般社団法人 Spay Vets Japan

啓発団体

(2025年12月1日掲載開始)

家なき犬猫達を救うために、獣医師ができる事・やるべき事を本気で考え、実行したい。

現在、犬猫の凄まじい繁殖力によって、多くの飼い主がいない、行き場のない命が生まれては亡くなっていくことが繰り返し起こっています。獣医師としてこの現状に歯止めをかけるため、不妊去勢手術を徹底する世の中を目指し、学術的根拠を持った啓発活動を行います。

活動内容

早期不妊去勢手術の安全性と有用性を広め、譲渡前手術率を100%

猫の「早期不妊去勢手術」は、生後5ヶ月齢までに行う不妊去勢手術の事で、海外では2017年から実施されています。(犬については、犬種や飼育環境による是非が現在も議論中です。)

日本ではあまり認知されていない「早期不妊去勢手術」ですが、安全性と有効性については多数の海外文献があり、それらを翻訳してホームページ上で公開しています。また、文献の内容を検証すべく臨床現場での調査(456調査)も行い、その結果も公開しています。そして、それら獣医師として得た医学的知識を根拠にした講演を、開業獣医師・行政獣医師・愛護団体・ボランティア活動者に向けて行っています。

多頭飼育崩壊などの現場では、限られた時間と人員の中で多くの動物をできるだけ早く、そして安全に手術する必要があります。そのため、「高速高回転手術」と呼ばれる安全で効率的な手術技術の指導を獣医師に向けて行っています。これは、傷口をわずか約1センチに抑え短時間で確実に処置を行うことで動物の体への負担を軽減し、回復を早める方法です。安全かつスピーディーに行うことで獣医師1人が1日に30頭の不妊去勢手術を行うことが可能となります。この技術を広めるべくデモオペ・トレーニング講習会・オンライン勉強会を開催して、早期不妊去勢手術に対応できる獣医師を育成しています。さらに、国内外の獣医師とカンファレンスや視察を実施して、過剰繁殖問題解決について最新の情報や技術を更新しています。

譲渡前に確実に不妊去勢手術を実施することが過剰繁殖を未然に防ぎ、行き場のない命をゼロにする事につながると信じ活動を続けています。

今後のビジョン

獣医師の強いリーダーシップによって、犬猫の過剰繁殖問題が大きく改善された次世代の日本へ導く

活動を通して獣医師の協働者を増やし、5年後には猫の早期不妊去勢手術が一般的になり、10年後には飼い犬、飼い猫の不妊去勢手術の義務が法律となり、ブリーダー業が厳しい免許制になることを目指したいと思います。すべては、「保護が必要な犬猫そのものを無くすこと」です。そのために「猫は5ヶ月齢未満でも妊娠のリスクがあること」「5ヶ月齢未満でも安全に手術ができること」「不妊去勢手術には犬猫の健康にとっても利益のある事」などの医学的根拠を持って、不妊去勢手術の実施時期と重要性についてのスタンダードが確立された日本へ導きます。

寄付使途

不妊去勢手術にかかる費用、啓発活動費用、その他非営利活動費

スタッフからのメッセージ

代表理事

橋本 恵莉子

真に一頭一頭の命を大切にするためにはどうすればよいのか?その答えは、犬猫の頭数管理、つまり不妊去勢手術の徹底しかありません。
無秩序な繁殖を許した結果、遺棄される命や、十分な世話を受けられず飢えや寒さ暑さに苦しみ亡くなる命が、今日も後を絶ちません。その繰り返しを、私たちはこれ以上繰り返してはなりません。
保護活動に限界があることは、私自身も日々相談対応やシェルター活動を行ってきて痛いほど感じています。保護活動そのものを無くすことを目指し、不妊去勢手術の支援と、手術を行う獣医師を育成することが、今こそ私たちが最もやるべきことです!何卒、皆様のお力をお貸しください。

会員獣医師

古川勝也

私は長年公務員獣医師として野良犬や野良猫の問題に対処してきましたが、問題の根本的な解決のためには過剰繁殖の予防が不可欠であることを痛感し、犬や猫の不妊去勢手術に携わりたいと考えました。私には臨床経験がほとんどなかったため、Spay Vets Japanで初歩から手術の指導を受け、将来的には地元で活動することを目指しています。これからも犬や猫の過剰繁殖問題に、ともに取り組んでまいります。

基本情報

団体名

一般社団法人 Spay Vets Japan

住所

〒581-0014 大阪府八尾市中田4丁目136-3

TEL

072-933-4743

メールアドレス

info@spayvetsjapan.org

HP

https://spayvetsjapan.org

代表者

代表理事 橋本 恵莉子

会員構成

正会員59名、賛助会員16名、個人会員4名、法人会員5団体

*2025年10月現在

活動収支報告

https://spayvetsjapan.org/activity.html

詳細情報

活動開始日

2022年2月01日(法人化:2022年2月16日)

活動エリア

大阪府八尾市/和歌山県西牟婁郡白浜町

スタッフ数

獣医師59名(正会員)

*2025年10月現在

活動実績

啓発活動
・繁殖予防に関する海外文献の和訳を行い、読解・解釈をホームページに公開
・猫の早期不妊去勢手術啓発ポスター、他広報物を作成して配布
・早期不妊去勢手術の啓発講演会を開催
・行政および大学にて「防災目線からみた不妊去勢手術の重要性ついて」の講演会を開催
・ボランティア活動者を対象に、保護活動セミナーを開催

社会実験の実施・災害対策活動
・6ヶ月齢以下の雌猫の発情・妊娠の有無を調査する456調査を実施
・全国の動物病院を対象に犬猫の不妊去勢手術推奨時期の実態調査を実施
・繁殖予防病院(南紀白浜)を開院して、防災目線での不妊去勢手術の普及とTNRの効果を調査

獣医師育成
・不妊去勢手術実演会(デモオペ)を開催
・実習トレーニングを開催
・オンライン勉強会を実施
・繁殖管理についてのカンファレンスを開催
・犬の不妊去勢手術のコーチングテクニック研修に参加(タイ)
・海外の犬猫繁殖管理を視察(アメリカ)
・フロリダ大学Dr. Patty Dingmanを招いて手術に関する勉強会を実施
・フロリダ大学Dr.Levy によるCommunity Cat Management Course オンライン授業に参加

団体設立のきっかけ・沿革

一般開業病院の勤務獣医師であった代表理事 橋本氏が、猫の過剰繁殖問題に直面した事がきっかけ。

『飼い猫が発情していても6ヶ月齢未満なら手術は断る』『TNR(トラップ・ニューター・リターン)で運び込まれる大勢の猫達には対応出来ない』といった獣医師側の問題が、過剰繁殖の抑制を大きく阻害している。

そう考えた橋本氏が一念発起、『根本的に日本の獣医師の在り方を変えなければいけない』と強く思い、団体を設立、自身も繁殖予防を専門とする獣医師となり、日夜過剰繁殖問題に取り組んでいる。

団体の特色

・日本初の獣医師で構成される団体
・過剰繁殖予防に対して、最も効果的な分野にアプローチできる。
・科学的な根拠と臨床体験を元に啓発活動を行っている。
・『臨床未経験の獣医師のリスキリング』に取り組んでいる。
・スペイフックを用いた傷口1cmの高速高回転(1日30頭)の不妊去勢手術法の技術指導を行っている。

活動内容

啓発活動
・臨床現場の数値を解析して、HPにて公開
・海外の過剰繁殖問題対策と連携、HPにて公開
・各種講演会の実施

社会実験の実施・災害対策活動
・南海トラフ地震に備えた、犬猫の過剰繁殖対策の実施(南紀白浜)

獣医師育成
・早期不妊去勢手術[スぺイフック(子宮吊り出し鉤)を用いた傷口1cmの不妊手術]の技術指導
・臨床未経験の獣医師に手術実習を含めた技術指導

定期イベント

・トレーニング講習会 1回/月
・白浜事業(防災目線での不妊去勢手術の普及とTNR効果の調査) 2~3回/月
・カンファレンス 1回/年
・オンライン勉強会 1回/2ヶ月
・手術実演勉強会 1回/年

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