2026/3/25(水曜)、公益社団法人アニマル・ドネーション認定保護団体向けの新たな学びの場「アニドネカレッジ」、第3回を開催しました。今回も約40団体さんにオンラインにて参加いただきました。

第3回目のテーマは「猫の多頭飼育崩壊」。

多頭飼育崩壊とは、飼い主がお世話できる数以上に飼育頭数を増やしてしまい、適正な飼育が行われていない状態に陥ってしまうことです。
主に不妊去勢を行わず無秩序に増やしてしまうという飼い主の知識不足や、経済的な困窮、飼い主の死亡や病気などの原因で発生します。

アニドネの認定団体さんの中にも、多頭飼育崩壊のレスキューに入る団体さんは多くいらっしゃるため非常に興味関心の高いテーマでした。



今回のアニドネカレッジ第3回では、北海道を中心に猫の保護活動をする、「特定非営利活動法人 猫と人を繋ぐツキネコ北海道(以下ツキネコ)」 の代表 吉井美穂子さんと副代表 滝澤礼奈さんを登壇者としてお招きし、多頭飼育崩壊のレスキューに関する活動についてお話ししていただきました。

また、ゲストとして「ねこから目線株式会社」の代表 小池英梨子さんにもご参加いただき、行政との連携や多頭飼育崩壊を未然に防ぐための取り組みについてお話ししていただきました。

実際の多頭飼育崩壊現場から

年間約600頭もの猫を保護するツキネコさん。
多頭飼育崩壊のレスキュー件数も累計111件と非常に多く、アニドネカレッジ当日も多頭飼育崩壊のレスキューに入っていました。
なんと現場からオンラインをつないでくださり、隣の部屋ではまさに猫の不妊去勢手術が実施されているという緊迫感ある光景を見せていただきました。

多頭飼育崩壊レスキューの流れ


多頭飼育崩壊は悲惨な現場のインパクトが強いため、メディアでも取り上げられることもあります。
今回のツキネコさんのお話から短期間でレスキュー活動が完了することはなく、時には数年もの時間をかけて対応して行くことが分かりました。
飼い主との信頼関係の構築や人員確保などの事前準備を丁寧に行うことや、保護団体のみではなく行政やケアマネージャーさんとの密な連携を行なっている事など普段はフォーカスされにくい内容を知ることが出来ました。

ただレスキューをするだけではなく、飼い主の家の掃除を手伝ったり必要物質を届けるなど現場の状況を把握しながらそれぞれのケースに応じて最適な対応を行なっている事も印象的でした。

「猫が問題を起こしているのではなく、問題の中に猫が置かれている」というツキネコさんのメッセージ。


多頭飼育崩壊は、飼い主の孤独や不安などの心理的な問題や経済的な問題、社会との孤立や飼養への認知や知識不足など、決して動物の問題ではなく社会そのものの問題課題が大きく影響しているということを痛感しました。

楽しんでやることが本当のボランティア

悲惨な現場に長期間レスキューに入ることは、重労働かつ心理的にもダメージが大きいと予想されます。
そんな中でも、ツキネコさんはチームワークを大切にしながらボランティアさんの自主性を最優先し無理なく活動できるような取り組みを心がけていました。
「苦しんでやる必要はない。楽しんでやることが本当のボランティア」というツキネコさんの言葉が印象的でした。

行政との連携

猫から目線株式会社の小池さんからは、多頭飼育崩壊を予防することの必要性や予防の段階について、
また行政の協力を得ながら連携して活動してきた事例についてお話ししていただきました。
自主的に活動レポートを作成し行政へ報告することで積極的にコミュニケーションをとり、保護団体さんとは別の立場から多頭飼育崩壊へ向き合ってきた小池さんの活動は非常に勉強になりました。

アニドネ認定団体へのメッセージ

「多頭飼育崩壊レスキューは、特別な団体だけができるものではありません。「自分たちにできるだろうか」と迷う気持ちは、どの団体も同じ。
すべてを一度に解決しようとせず、できることから始め、関係各所やボランティアと連携することで取り組むことができます。」

多くの現場と向き合ってきたツキネコさんのメッセージ。


アニドネカレッジ終了後のアンケートでも、「多頭飼育崩壊の予防について、当方でも取り組みを始めたいと考えておりますので、とても良いタイミングでお話しを伺うことができました。」
「行政との協力、連携の仕方など勉強になりました」
など認定団体さんから前向きな感想がたくさん寄せられました。

次回の開催について

次回は4月25日に「ボランティア・マネジメント」をテーマに開催予定です。
IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表の川北秀人さんをゲストにお招きします。
アニドネ運営メンバーもますます張り切って当日の準備をしております!
またアニドネカレッジ専用Slackでも、積極的に交流をしながら当日まで情報交換の場を作って参ります。