認定団体の活動レポート

介助犬がもっと身近に!介助犬フェスタ2025開催

社会福祉法人 日本介助犬協会さんでは、介助犬について楽しく知るイベント『介助犬フェスタ』を開催しています。一人でも多くの方に介助犬を知ってほしいとの想いで毎年行われているこのイベントは今年で15回目。愛・地球博記念公園内の地球市民交流センターにて開催されたイベントの様子をレポートいたします。

 

楽しみながら犬たちの素晴らしさを感じて、もっと身近な存在に

現在日本に57頭(2025年4月末時点)しかいない介助犬は、頭数の少なさが課題となっています。まだまだ認知度が低く、一人でも多くの方に楽しみながら介助犬を知ってもらうため「見る、知る、感じる、そして楽しむ!」をコンセプトに、たくさんのステージプログラムや体験コンテンツが用意されています。その他にもチャリティグッズが買えるブースが並んだり、チャリティラッフル(寄付付きの抽選会)が行われ、みなさま楽しく参加されていました。

介助犬フェスタ15回目にして初めての雨とのことでしたが、それでもイベント開始前から多くの方がワンちゃんたちと一緒に遊びに来て、会場はとても賑わっていました。

介助犬フェスタ会場の様子
朝から雨が降るあいにくのお天気でしたが、少しずつ雨もあがってワンちゃんと一緒にイベントを楽しむ方たちで賑わいました
介助犬の支援にも繋がるチャリティグッズ
今年も新チャリティグッズが登場!一般の方からデザインを公募したTシャツなどたくさんのかわいいアイテムが揃っています
介助犬クイズラリー
介助犬のことを楽しみながら知ることができるクイズラリーは子どもたちにも大人気!

犬たちの「楽しい!」が間近で見れるデモンストレーション

ステージでは介助犬PR犬が楽しくお仕事を紹介してくれるデモンストレーションが行われました。介助犬は手や足に障がいのある方をお手伝いしている犬で、ユーザーさんの障がいに合わせて作業ができるようにオーダーメイドでトレーニングされています。

6歳のおんなのこのPR犬ナビちゃんが、携帯を探して持ってくるお仕事を見せてくれました。介助犬にとって最も必要とされている作業の一つで、車椅子から転倒してしまっても合図をすれば携帯を持ってきてくれます。普段犬たちをとても褒めてトレーニングすることを大切にしているそうで、上手にできて大きな拍手もらったナビちゃんはとても嬉しそう。ステージでずっと楽しそうに尻尾をブンブン振ってお仕事紹介をしてくれました。

介助犬のデモンストレーション
携帯電話を匂いではなく形で覚えて探すそうです。ナビちゃんがしっかりと探し出すとみなさんから大きな拍手が沸き起こります

他にも「落としたものを拾う」「靴と靴下を脱がせて靴下をカゴに入れる」「冷蔵庫からペットボトルを持ってきて手元に渡す」などのお仕事も見せてくれました。障がいのある方が何かお願いしたいことがあるとき、人に頼むことをためらってしまうこともあるそうですが、介助犬なら楽しんで遊びの感覚で何回でもお手伝いしてくれます。介助犬にお願いすることで「誰かに頼む」という精神的負担を減らすことができるというお話が印象的でした。

介助犬のデモンストレーション
ステージ上でも常に楽しそうにお仕事紹介をしてくれて、ふと満足げな表情になる瞬間がとてもかわいらしい
介助犬のデモンストレーション
特別に普段は見ることができないトレーニング紹介も!ワンちゃん好きの方たちもとても熱心に見つめていました
盲導犬のデモンストレーション
介助犬と同じく身体障害者補助犬である盲導犬や聴導犬のデモンストレーションも見ることができました

※介助犬をはじめとする補助犬たちを街で見かけた際は、声をかけたり触ったりせず心の中で応援し、やさしく見守る「あたたかい無視」のご協力をお願いいたします。もちろん犬たちにもできないことがあるので、困っている様子の使用者さんには「何かお手伝いしましょうか?」などと積極的にお声がけください!

犬といる安心が大きな変化につながる

介助犬フェスタでは介助犬使用者さんが普段介助犬とどのような生活をされているのか、生の声を聞くことができるステージもあります。介助犬と暮らしたいと思ったきっかけや、介助犬との暮らしの中で変わったことなど、とても貴重なお話を聞くことができました。介助犬と暮らし初めたことで外出が楽しくなり自然と気持ちが外に向くようになったそうです。

介助犬使用者さんの話
ステージ上でたくさんの視線を集めながらも、介助犬使用者さんの足元で終始リラックスしている様子が愛らしい

介助犬フェスタでは『感謝の集い~認定報告会~』という会員限定コンテンツがあり、新たに認定を受けた介助犬ペアの認定報告や昨年度の活動紹介等が行われます。全国各地から介助犬使用者の方なども参加される賑やかな報告会です。

感謝の集い
普段聞くことのできない貴重なお話をじっくり聞ける感謝の集いは、たくさんの方たちのあたたかい想いを感じられる素敵な時間です

日本介助犬協会さんでは、人と犬をつなぐ取り組みのひとつ『With You プロジェクト』にも力をいれています。障がい者や障がい児がいるご家庭に対して、人と犬の両者の個性を丁寧にマッチングして犬を譲渡する取り組みです。プロジェクト開始から10年でご縁をつないだ犬と家族は49を超えたそうです。

今回の感謝の集いでは『With You プロジェクト』で犬を迎えたご家族の貴重なお話を聞くことができました。犬を迎えての変化として「家族みんなの心の安定につながった」という言葉がとても印象的で、人間だけではできないことを補ってくれたり、犬たちの偉大な力を日々感じていると笑顔でお話してくださいました。「安心」や「安定」というのは介助犬使用者さんのお話の中でもよく耳にする言葉のように思いました。

日本介助犬協会創設30周年展示
日本介助犬協会さんは今年で創設30周年。「人にも動物にもやさしく楽しい社会をめざして」をモットーに、犬たちの素晴らしさを多くの方に届けています

創設から30周年という大きな節目を迎えられた日本介助犬協会さんから「犬たちはいつも明るく、楽しく、嬉しく人をサポートしてくれる」というお話がありました。使用者さんたちの隣でただただマイペースに過ごしている犬たちを見るたびに、そばにいるだけで人を安心させてくれる犬たちのすばらしさを改めて実感します。

チャリティラッフル抽選会
毎年盛り上がるチャリティラッフル(寄付付きの抽選会)の様子。素敵な商品をゲットした方たちには大きな拍手が

介助犬フェスタは日本介助犬協会のみなさんをはじめ、たくさんの方たちの想いが集まったとても楽しくあたたかいイベントですが、直接間近で見たり聞いたりすることで介助犬や障がいを知るきっかけになるのではないでしょうか。イベントを通して犬たちの素晴らしい力を知っていただき、一人でも多くの方が犬と一緒に幸せに生活できることを願っています。

日本介助犬協会さんでは、介助犬総合訓練センター『シンシアの丘』で定期的に事前申込制の見学会も実施しています。お近くにお住いの方、近くまでお越しの機会がある方、是非一度見学会にご参加ください!

*************************************************

日本介助犬協会」さんのご紹介・ご寄付のページはこちらからご覧いただけます。

※掲載の文章・写真はアニマル・ドネーションが許可を得て掲載しております。無断転載はお控えください。

*************************************************