活動レポート
「断尾・断耳」世界の法整備
2021.07.27
「断尾」や「断耳」について日本での状況を説明してきましたが、世界ではどのような法整備がされているかも合わせて調査しました。すると、世界の様々な国が審美目的の外科手術を廃止しようと努力している姿勢が見られました。日本ではまだ法整備はありませんが、いずれ必要のない手術がなくなるように法整備に舵を取れることを祈っています。
※表組が横長となっています。スマートフォンでご覧いただく場合は、画面を横にした方が読みやすいです。
世界的な組織
| 地域、国もしくは団体名 | 禁止/制限年度 | ステイタス | 詳細 | WEB |
| WASABA(World Small Animal Veterinary Association) | 2001 | 世界小動物獣医師協会での禁止 | 2001年議会にて、専門的に診断された治療上の理由を除いて、犬の尻尾のドッキングを違法と決議。満場一致。 | ● ● |
ヨーロッパ
| 地域、国もしくは団体名 | 禁止/制限年度 | 欧州条約の発効日 | ステイタス | 詳細 | WEB |
| ヨーロッパ(European Convention for the Protection of Pet Animals) | 1987 | ー | ペット動物の保護に関する欧州条約での禁止 | Article 10 – Surgical operationsで審美目的の手術を禁止。批准国は25カ国 | ● |
| オーストリア | 2005 | 2000/3/1 | 禁止 | ||
| アゼルバイジャン | 2008/5/1 | ||||
| ベルギー | 2006 | 1992/7/1 | 禁止 | ||
| ブルガリア | 2005 | 2005/2/1 | 禁止 | ||
| キプロス | 2001 | 1994/7/1 | 禁止 | ||
| チェコ | 1992 | 1999/3/24 | 生後8日以降は禁止 | ||
| デンマーク | 1996 | 1993/5/1 | 猟犬以外は禁止 | 5種類の猟犬を除いて禁止 | ● ● |
| フィンランド | 1996 | 1992/7/1 | 禁止 | Eläinsuojelulaki(動物福祉法)での禁止 | ● |
| フランス | 2004/5/1 | 断尾無制限・断耳禁止 | フランスはペット動物の保護に関する欧州条約を批准しているが断尾に関してはオプトアウトしている。断耳は禁止 | ||
| ドイツ | 2006 | 1992/5/1 | 猟犬以外は禁止 | 特定の猟犬を除いて禁止 | |
| ギリシャ | 1991 | 1992/11/1 | 禁止 | ||
| イタリア | 2010 | 2011/11/1 | 禁止 | ||
| ラトビア | 2010 | 2011/5/1 | 禁止 | ||
| リトアニア | 2012 | 2004/12/1 | 禁止 | ||
| ルクセンブルク | 1991 | 1992/5/1 | 禁止 | ||
| オランダ | 2001 | – | 禁止 | 欧州条約は簡易署名のみ、自国の法律で禁止 | |
| ノルウェイ | 1987 | 1992/5/1 | 禁止 | ||
| ポルトガル | 1994/1/1 | ||||
| ルーマニア | 2001 | 2005/3/1 | 禁止 | ||
| セルビア | 2011 | 2011/7/1 | 審美目的の禁止 | 審美目的では禁止。医療目的や特定の作業犬種では許可 | ● |
| スペイン | 2017 | – | 禁止 | 欧州条約は簡易署名のみ、自国の法律で禁止 | ● |
| スウェーデン | 1989 | 1992/5/1 | 禁止 | ||
| スイス | 1988 | 1994/6/1 | 禁止 | ||
| トルコ | 2004 | 2004/6/1 | 禁止 | ||
| ウクライナ | 2014/8/1 | ||||
| ボスニアヘルツェコビナ | 2009 | 未批准 | 処置が必要な犬以外は禁止 | ||
| イギリス(イングランド) | 2006 | 未批准 | 禁止 | The Animal Welfare Act 2006 section6 特定の作業犬種を除き禁止。特定の作業犬種の断尾は獣医によってのみ行われる | ● |
| イギリス(北アイルランド) | 2013 | 未批准 | 禁止 | 特定の犬種を除き禁止 | ● |
| イギリス(スコットランド) | 2006 | 未批准 | 禁止 | Animal Health and Welfare (Scotland) Act 2006にて禁止 | ● |
| イギリス領 バージニア諸島 | 2005 | 未批准 | 禁止 | ||
| アイスランド | 2001 | 未批准 | 禁止 | ||
| アイルランド | 2014 | 未批准 | 禁止 | ||
| エストニア | 2000 | 未批准 | 禁止 | ||
| スロバキア | 2003 | 未批准 | 禁止 | ||
| スロベニア | 2007 | 未批准 | 禁止 | ||
| ポーランド | 2003 | 未批准 | 禁止 |
北米/カナダ
| 地域 | 禁止/制限年度 | ステイタス | 詳細 | WEB |
| プリンスエドワード島 | 2015 | 州法で禁止 | animal welfare actにて禁止 | ● |
| ニューファンドランドアンドラブラドール | 2012 | 州法で禁止 | Newfoundland and Labrador Regulation 35/12にて禁止 | ● |
| ノバスコシア州 | 2018 | 州法で禁止 | Animal Protection Actにて禁止 | ● |
| ニューブランズウィック州 | 2008 | 獣医師会での禁止 | ニューブランズウィック獣医学協会(NBVMA)にて禁止が2008年に決議。ニューブランズウィック州の獣医師がいかなる動物に対しても美容整形手術を行うことは、2009年3月28日より職業倫理に反する行為とみなされる | ● |
| ケベック州 | 2017 | 獣医師会での禁止 | Ordre des médecins vétérinaires du Québec (OMVQ)にてペットの美容整形を全面禁止 | ● |
| アルベルタ州 | 2019 | 獣医師会での禁止 | Alberta Veterinary Medical Associationにて医療的に不必要な手術の禁止という議案で、300人近くの投票中98%賛成多数で可決。 | ● |
オセアニア/オーストラリア
| 地域もしくは団体名 | 禁止/制限年度 | ステイタス | 詳細 | WEB |
| RSPCA | 2004 | 全土で禁止 | RSPCAは独立した地域密着型の慈善団体で、国内で動物のケアと保護のサービスを提供。法執行権限を持つ唯一の団体。 | ● ● |
| オーストラリアキャピタルテリトリー | 1992 | オーストラリアキャピタルテリトリー 地域法で禁止 | 動物福祉法19条Aにて治療目的以外の手術は禁止 | ● |
| ニューサウスウェールズ | 1979 | ニューサウスウェールズ 州法で禁止 | ニューサウスウェールズ州動物虐待防止法第12条 | ● |
| ノーザンテリトリー | 2018 | ノーザンテリトリー 地域法で禁止 | ノーザンテリトリー動物福祉法24条で痛みを伴う残酷な行為を禁止 | ● |
| クイーンズランド | 2001 | クイーンズランド 州法で禁止 | 動物のケアと保護法 24条で獣医師が犬の福祉のためと合理的に判断した場合以外禁止 | ● |
| 南オーストラリア | 2012 | 南オーストラリア 州法で禁止 | 2012年動物福祉規則(SA)規則6で、獣医師が病気の予防のため必要であると書面で証明した場合を除き、断尾は虐待と規定 | ● |
| タスマニア | 1993 | タスマニア 州法で禁止 | 1993年動物福祉法(TA)で人は動物に不合理かつ不当な苦痛を与える行為、またはその可能性のある行為を行ってはならないと規定。また2013年に動物福祉規則にて苦痛を与える行為に断尾が含まれると規定(医療目的を除く) | ● ● |
| ビクトリア | 1986 | ビクトリア 州法で禁止 | 動物虐待防止法9条にて残虐行為の禁止。セクション3で残虐行為に断尾は含まれるが医療目的を除く | ● |
| 西オーストラリア | 2003 | 西オーストラリア 州法で禁止 | 動物福祉規則14条にて登録医師が医療目的のみ断尾を行ってよいと規定 | ● |
オセアニア/ニュージーランド
| 地域 | 禁止/制限年度 | ステイタス | 詳細 | WEB |
| 全土 | 2018 | 禁止 |
その他の地域
| 国 | 禁止/制限年度 | ステイタス | 詳細 | WEB |
| チリ | 禁止 | |||
| コロンビア | 禁止 | |||
| ブラジル | 審美目的の禁止 | |||
| イスラエル | 2000 | 審美目的の禁止 | ||
| 南アフリカ | 獣医師会で手術を禁止 | |||
| クロアチア | 2006 | 禁止 |
「断尾・断耳」の法規制に向けての署名はこちらです。ぜひアクションをお願いします!
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このテーマのゴール
ゴール 7
ありのままの姿を愛そう
トイプードルのように尻尾が短い犬、ドーベルマンのように耳がピンと立った犬。あれは生まれつきではなく、生後間もなくして人の手によって切断されています。麻酔なしの手術は、痛みも伴います。人が決めた見た目の基準を守るのではなく、自然な姿を愛しましょう。