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もうやめよう、審美目的の断尾・断耳

活動レポート

断尾を取り巻く状況

2021.07.28

断尾レポート
目次

狩猟のためなど歴史的な背景はあったものの、現在行われている断尾・断耳のほとんどが審美目的のもの。ヨーロッパでは2000年代前半には法律でおおむね禁止されています。ありのままの動物と共生することを目指し、苦痛を伴う審美目的の断尾・断耳を法律で禁止するために、署名活動を行います。この記事では犬の断尾を取り巻く状況を解説します。

日本の「断尾」の現状は?

そもそも「断尾」とは

前提として、断尾には「医療目的」の断尾と、「審美目的」の断尾に分かれます。医療目的とは、猟犬が茂みなどで尾が傷つくことを防ぐこと、牧羊犬が牛や馬に踏まれて怪我を防ぐこと、またそれぞれの怪我からの感染症を防ぐことを指しています。一方、審美目的は、人間の基準として犬種標準(スタンダード)として断尾を推奨することなどを指します。現在、日本の法整備において規制はありません。

「断尾」の対象犬種は?

エアデールテリア

アメリカンコッカースパニエル

シルキーテリア

オーストラリアンシェパード

オーストラリアンテリア

ブービエデフランダース

ボクサー

ブラッコイタリアーノ

ブリタニー

クランバースパニエル

コッカースパニエル

ドーベルマン

イングリッシュスプリンガースパニエル

フィールドスパニエル

ジャーマンショートヘアードポインター

ジャーマンワイアーヘアードポインター

ジャイアントシュナウザー

ブリュッセルグリフォン

ハンガリアンビズラ

アイリッシュテリア

ジャックラッセルテリア

ケリーブルーテリア

キングチャールズスパニエル

レイクランドテリア

ミニチュアピンシャー

ミニチュアプードル

ミニチュアシュナウザー

ナポリタンマスティフ

ノーフォークテリア

ノーリッチテリア

オールドイングリッシュシープドッグ

パーソンジャックラッセルテリア

ウェルシュコーギーペンブローク

ピンシャー

ロットワイラー

ロシアンブラックテリア

スキッパーキ

スタンダードシュナウザー

シーリハムテリア

スムースフォックステリア

ソフトコーテドウィートンテリア

スパニッシュウォータードッグ

スタンダードプードル

サセックススパニエル

トイプードル

ワイマラナー

ウェルシュスプリンガースパニエル

ウェルシュテリア

ワイアヘアードフォックステリア

ヨークシャーテリア

「断尾」の方法

・切断法(せつだんほう)

1.剃毛する

2.医療用鋏で断尾する(無麻酔)

3.怪我部分の処置をする

・結紮法(けっさつほう)

1.尾をゴムバンドできつく締め付けて血流を遮断

2.結び目以降の組織を壊死(えし)させて自然に脱落させる

「断尾」のデメリットは?

・身体的な痛み

現在断尾を行う前提となっている「子犬は痛みを感じないので、断尾は非人道的ではない」と、「痛みと断尾の影響は重要ではない」という二つのポイントに反論している論文があります。

ROBERT K. WANSBROUGH 1996年

Cosmetic tail docking of dogs

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1751-0813.1996.tb13737.x

すべての子犬は、尾の切断時に激しく発声し(「叫び声」)、平均24回の叫び声を発しました。ドッキング中に行われた小さな発声(「呻き声」)の平均数は18回でした。

Science Direct:痛みを伴うという研究結果 禁止の理由

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/0168159196010623

・社会的なデメリット

行動学的に長い尾の方が意思疎通としてうまくいく研究結果が発表されています。

S.D.A. Leaver & T.E. Reimchen 2007年

http://web.uvic.ca/~reimlab/robodog.pdf

・医学的なデメリット

 ・過剰な出血

 ・感染症

 ・幻肢痛(げんしつう)

※本来あるべき体の一部を失うと、その失った部位になぜか痛みを感じてしまう現象

 ・傷痕や神経腫

「断尾」にまつわる世界の状況は?

ペット動物の保護に関する欧州条約によりヨーロッパでは、1996年に審美目的の手術の廃絶を推奨するというスタンスを発表しました。北アイルランドを除くイギリスでは、2006年動物福祉法によって非医療目的の体の一部切断を有罪と認めています。ただし、警察、軍務、災害救助、合法的有害獣駆除など労務する犬は例外です。これらの法律から、かわいいからとかかっこいいからという「審美目的の断尾については禁止」の姿勢を持っていることがわかります。

「断尾・断耳」世界の法整備も合わせてご参照ください。

cf)The European Convention for the Protection of Pet Animals 第10条1項

cf)Animal Welfare Act 2006 第5条 第6条


もし、審美目的の「断尾」について必要がないと感じたら、アクションをお願いします!

「断尾・断耳」の法規制に向けての署名はこちらです。

※掲載の文章・写真はアニマル・ドネーションが許可を得て掲載しております。無断転載はお控えください。

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ありのままの姿を愛そう

トイプードルのように尻尾が短い犬、ドーベルマンのように耳がピンと立った犬。あれは生まれつきではなく、生後間もなくして人の手によって切断されています。麻酔なしの手術は、痛みも伴います。人が決めた見た目の基準を守るのではなく、自然な姿を愛しましょう。

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