また会おう、リン

To:麟太郎

From:リンの父

また会おう、リン。5歳4ヵ月の麟太郎が昨日、虹の橋を渡りました。右後脚の悪性腫瘍が判明して2カ月。断脚、抗がん剤等の積極的治療は行わず、私達は痛みの緩和で普通に生活していくことを選択しました。病院嫌いで、そこでは冷静でいられなかったリン。この先にそんな思いばかりをさせたくはなかった。余命は短くなっても、一緒に自由に過ごせる時間を大切にしたかったから。この現実を突きつけられて、心の平静を保つのは容易では無く、救いを求めている中で知ったのがアニマルコミュニケーション。動物と交信?そんなことが可能なの?彼の想いを知りたくて、交信をお願いしました。その内容に涙が止まりませんでした。リンは今回の私達の選択に同意してくれていました。癌の治療は、お互いに苦労しつらい思いをするだろう、そして、それをしても延ばせる時間はそれほど増えないと。今の一番の願いは、自分が苦痛と共に寝たきりになり、家族に参画できなくなった時には、向こうの世界へ行く手助けをして欲しいと。このことは3回も繰り返していました。何故、こんなに早く?という問いには、こればかりは仕方が無い、自分の一生は、一般には短いと言われるかも知れないけれど、その価値は時間の長さで計れない。そこで得られた私達との絆、たくさんの輝く思い出こそが重要なんだと。9月、最後の旅行に行けました。リンが好きだった海の近くに。泳がせることもできました。陸上より楽みたいで、本当に嬉しそうだった。10月になり、かろうじてびっこで2~3歩歩き、一人で用は足せていたものの、それだけで息切れし、苦しそう。腫瘍は足が3倍に腫れる程大きくなり、もう横になっていることしか出来ない。夜は1時間おきに過呼吸のような状態を繰り返して眠れない。そんなリンを見ていて、もうこれ以上の引き留めは止めよう、本当につらいけれど向こうへ行かせてあげようと心に決めました。リンの望み通りに。前の日、リンはいつもより元気で、外は雨なのにベランダに出て、しばらくの間、冷んやりとした風と雨粒を体に受けていました。この世に生きていることの証を一生懸命感じようとしているかのようでした。そして、とうとうその時が来て、主治医が致死量の麻酔薬を体に入れるその瞬間、リンは私達家族の一人一人の顔を確かに見回して、それから眠るように旅立ちました。今も涙は止まらないけれど、ありがとうリン。また会おうな、絶対に。