あなたの健康は私が守る
To:みるく
From:のん

動物病院で働いている獣医師です。みるくは病院に併設するペットショップにやってきた小さな子犬でした。ショップに来る子たちは、まだ小さく体調を崩しやすい子たちばかり。中でもみるくは特に小さく、移動のストレスからか低血糖を起こして倒れてしまいました。よりにもよってその日はベテラン獣医師が不在の日。新米獣医師の私と看護師さんしかいませんでした。こんなに小さくて血管も細い子に点滴を入れる自信なんてない。けれど、ほうっておいたらこの子は明日までもたないかもしれない…。私がやるしかない、と覚悟を決めて、なんとか点滴をつないで入院させました。ご飯もなかなか食べてくれなかったけれど一生懸命食べさせて、なんとか回復して退院できたのは一ヶ月以上も先でした。退院する頃にはすっかり愛着が湧いてしまい、ぜひともいいご家族に迎えてもらいたい!と願っていましたが、なかなかいいご縁に恵まれず、気がつけば退院してからさらに一ヶ月が経過していました。もはやその頃になると、この子にいなくなってほしくない、この子とずっと一緒にいたいと思うようになってしまい、結局私自身がお迎えすることになりました。夫の反対を押し切る形で迎えてしまったので、当初は夫に対して申し訳ない気持ちもありましたが、今ではすっかり家族の一員です。みるくは正真正銘、私が初めて救った命。これから何があってもずっと一緒に生きていきます。