輝く女の子
To:美羽 (ビワ)
From:ダヌーアキコ

びわちゃんを初めて見たのは6年前。 悲しい顔をした、老いた女の子の写真でした。当時老犬を育てる経験がありませんでしたが殺処分を避けたい気持ちで里親に立候補しました。 鹿児島のボランティアさんが親切に搬送を手伝ってくれて、びわちゃんは飛行機できました。うちについたびわちゃんは、鬱の表情で心を閉ざしていました。うずくまっていました。悲しそうで、過去に何かあったんだなと感じました。 撫でようとすると反射的に怖がりました。叩かれていたかもしれません。 ご飯を食べて、散歩にいって、お気に入りの場所でふわふわのベッドで眠るようになりました。散歩しながら、私にお世話ができるのか、幸せにできるのか、少し考えていました。優しく撫でて労ろうと思いました。 びわちゃんは、みるみる表情が優しく明るく変わっていきました。優しい、穏やかな性格でした。ある日、私は洗面所の前で服を整理していました。びわちゃんはそっと隣に座り私の様子をニコニコと見て一緒にいました。いつもそっと側に来てくれました。 お散歩で歩くびわちゃんは、太陽にあたり、キラキラ光り輝いていました。私は次第に老犬の優しい魅力に気づいていきました。しばらくして私は重い病気になりました。ガンでした。治療がきつく、家に帰ってきた私にびわは微笑み、"ママ、大丈夫よ"といいました。不思議なことに進行したガンはみるみるなくなり治りました。びわちゃんは特殊な力を持っていたと確信しています。いつのまにかワンちゃんは4頭に増えていました。びわちゃんは皆のお母さんでした。びわちゃんは数ヶ月たち、腕の中で静かに亡くなりました。美しい羽を持った天使の犬でした。