幸せをありがとう

To:タミー

From:大田なおえ

1度だけパピーウォーカーをしてみたかった。 初めて迎えたパピーは色白の女の仔、名前はタミー。 何もかもが初めてで 何もかもが新鮮で ちょっぴり大変だった1年は駆け足で過ぎていった。 責任という大きなプレッシャーの中で私達家族は ありったけの愛情を彼女に注いだ。 私はといえば毎日グルーミングをしながらまるで洗脳するかのように”盲導犬になってまたこの家に帰っておいで”とつぶやく毎日。 今だから気付けるあのときの事  一緒に成長できた幸せ  毎日一緒に過ごせる幸せ タミーからたくさんの幸せをもらっていた   それから10年後 彼女は私の願いを叶えてくれた。 盲導犬になって引退してまたこの家に帰ってきてくれたのだ。 11歳になったタミーはその可愛い顔や仕草、ちょっと変な癖までパピーのときのままだった。 少しだけ違うのはパピーのときよりもっと可愛い笑顔かな。 先住犬との2ショットで見せてくれるこの笑顔は最高の宝物。 子供の頃から犬が大好きだった。 子供の時から犬と同じ布団で寝るのが夢だった。 そんな夢を叶えてくれたタミー。  大好きな犬たちと一緒に暮らせる幸せ  犬たちが夢を叶えてくれる幸せ  自分の願いが叶う幸せ  素晴らしい犬たちと出会えた幸せ   数え切れないくらいたくさんの幸せをタミーが運んできてくれた。 ありがとう こんな一言では足りないけれどたくさんの幸せをありがとう。 これからも一緒に幸せに過ごそうね。 これからは私がタミーを幸せにする番だね。 幸せをありがとう。