小さい太陽

To:りの

From:あっくん

電話越しで「犬飼ったら、諦めちゃたと思われるかな」と妻は言った。ちょうどその頃、私達夫婦は、不妊治療を6年続けようやく顕微受精が上手くいき妊娠6周というところで流産となってしまい失意のどん底にいた頃でした。 ちょうど、そんな時に妻が気分転換にと思いペットショップで出逢ったのが、一緒に暮らすことになる愛犬のりのでした。私は妻に「大丈夫だよ、どうしたの?」と聞くと、「一目惚れした犬がいるからどうしても飼いたい」と妻は言った。私の正直な気持ちとしては、不妊治療費で貯金等も少なくなってきたなかで新しい家族を迎え入れる不安と、これで妻の不安やストレスが和らぐなら良いのではないかという気持ちで揺らぎましたが、携帯に送られてきたとても可愛い犬の画像をみて、気持ちは一気に飼うほうに決まりました。 そんなこんなでやってきた、チワックスのりのくん、名前は妻がハワイ語で「輝く」「結びつく」という縁起が良い名前をつけました。 りのと一緒に生活がはじまると、今までの生活が一変、天真爛漫で人なつっこいりのと色んな場所へ出掛け旅行し、夫婦の会話もりのが中心となりほんのり暗かった家庭も輝きをとり戻しはじめました。そんなこんなんで⑨ヶ月が経ち、妻も不妊症治療を再開を決心した時に、ちょうどりのの誕生日に合わせて治療前の旅行に行く事になりました。 旅行も無事に終わり、いざ治療開始となり病院へいくと、まさかの妊娠が発覚、自然妊娠の可能性はほとんどないと言われていたのにとんでもない奇跡が起こりました。それから無事にこども生まれりのにとっては弟ができました。きっと、りのがこどもを我が家に結びつけてくれたんじゃないかと思っております。そんなりのに出逢えて本当に幸せです。