アジソン病の発病から2年が過ぎました

To:カーシャ

From:Katz

カーシャがアジソン病を発病したのは、2017年の12月の事だった。カーシャは突然何も食べなくなり、ぐったりとしだした。そして一日に何度も吐いた。症状はどんどん悪くなるばかり。年末の忙しいさ中に何度も病院に足を運び、いろいろ検査した結果、カーシャはアジソン病と云うことが判明した。様子見をしたのが症状を悪化させる原因だった。これは私達の失敗だった。 獣医曰く「懸命に処置をしたが、明日までもたないかもしれない」と言われた。 「今日このまま入院させて置くのもいいけれども、状態はかなり悪い。人に因っては犬が亡くなるのを見るのが辛いからと云って、病院に預けて行かれる方もいる。病院で独りで亡くなるのはかわいそうだからと、家で見守りたいと言う人もいる。どちらかを選んでいただけませんか?」とまで云われた。 その晩私はカーシャを家に連れ帰る選択をした。本当にカーシャは死んでしまうんだろうか? 何故か私はカーシャは死ぬ事は無いと確信していた。そしてカーシャはその晩を見事に乗り越え、腎不全も、病状もその日から徐々に回復して行った。 だけどもカーシャはあの時間違いなく虹の橋の袂まで行ったと今でも思っている。カーシャがいざ橋を渡ろうとした正にその時、橋の向こう側から先代犬カララが颯爽と駆けつけてきたんだ。カララはカーシャと挨拶する間もなく、虹の橋の上り口を齧って破壊し始めた。先代犬のカララは何でも齧って壊した。破壊はカララの得意技だ。 突然のカララの登場にカーシャは、ただ見守るしかなかった。あっという間に虹の橋の上り口は破壊されてしまった。上れないものは仕方がない。カーシャは再びこの世にトボトボと重い足で引き返していった。 うなだれて去ってゆくカーシャの後ろ姿を見て、カララは頭をフリフリ、しっぽをブンブンと振り回し、上機嫌に虹の橋の向こう側に去って行くのであった。あまりにも鮮やかなカララの破壊っぷりに、カーシャも驚いたことだろう。これが伝説のカララなのだ。カララの壊し屋っぷりが初めて役に立つ日が来た。ありがとうカララ。 カーシャは発病から無事2年目を迎えることが出来きた。今でもあの時のカーシャの冷たく冷えきった足の事が忘れられない。あの時私は布団の中で、ぐったりとしたカーシャを抱いて一生懸命温めてあげたのだ。そんな私達をカララも応援してくれたと今でも思っている。