妖精猫エルの愛と幸せの魔法
To:エル
From:ミュウシャ

私は、幼い頃から人とうまく接することができず1人でいる事が多く、辛いことがあっても誰にも相談できませんでした。そんな私をお外でお友達になってくれた猫ちゃんが癒してくれていました。ある日、知人の家に子猫ちゃんが産まれ、引き取ってもらえないかと話が舞い込んできました。産まれた子猫ちゃんを見に行くと、白くてふわふわの毛とチョコレート色のとっても可愛いシャム猫ちゃんのミックスでした。目の色はスカイブルーで美しく、それはそれは可愛い妖精のようで、私は一目で運命を感じてしまい、父に子猫ちゃんと一緒暮らしたいとお願いしましたが、猫ちゃんがあまり好きではなかった父は何度も反対しました。ですが、なんとか父を説得し一緒に暮らす事を許してもらいました。エルが家に来てからは、毎日一緒に寝たり色んな事を相談に乗ってもらったり、慰めてもらったり、沢山沢山、私に愛と幸せの魔法をかけてくれました。エルと過ごした日々は、全て大切でとっても愛おしく、たとえどんなに落ち込んでいる日があってもエルがそばにいてくれるだけで私は凄く幸せでした。そんな楽しい日々はあっという間に過ぎ、私は進学のため家を出て遠い地へ行く事になってしまいました。私が家を出てからエルは元気がなくなり、食欲がなくなって寂しそうに私の帰りを待っていたそうなんです。母からその話しを聞いた私は、残していったエルや家族にとても申し訳ない気持ちになり罪悪感にさいなまれてしまいました。しばらくしてから学校の長期休暇で実家に帰る事ができたので、またエルと幸せなひとときを過ごす事ができました。それからエルは体調を崩すことなく家族と仲良く暮らしていました。それから更に時は過ぎ、父が病気で入院する事になりエルには1人でお留守番をしてもらう事が多くなりました。その後、父が退院して家に帰ってきた数ヶ月の台風が来る少し前に、エルは外に出ていったきり帰って来なかったそうなんです。両親は必死でエルを探してくれたそうですが見つからず、私が知ったら悲しむと思い、なかなか言えなかったそうです、私が知ったのは里帰りした時にエルのいない寂しい部屋を見た時でした。エルに寂しい思いをたくさんさせてしまって大変申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。ですが、エルが与えてくれた無償の愛は私の大切な宝物で、虹の橋を渡った今でも私に愛と幸せの魔法をかけ救ってくれ、心から感謝しています。