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万が一の時にも愛犬・愛猫が幸せに暮らせる仕組みを

活動レポート

保護犬・猫の生涯飼育【第二回】高齢者や高齢犬猫たちの問題を解決する取り組み

2023.02.01

目次

人と犬が支え合う「シニアドッグサポート制度」―DOGDUCA―

アニマルドネーションの認定団体でもある特定非営利活動法人DOGDUCA(以下、DOGDUCA)では、3年前より高齢者と高齢犬がお互いを支え合うような仕組みを作れないかという想いから「シニアドッグサポート制度」という取り組みを開始しました。貰い手の見つかりにくい高齢犬を、飼育能力のある高齢者の方にマッチングする取り組みです。

DOGDUCAの代表高橋氏はプロのドッグトレーナーです。高橋氏はドッグトレーナーとしての経験を活かし譲渡会ではなく里親希望者一人一人と丁寧に面談を重ねながら里親希望者の飼育環境や家族構成、性格などをヒアリングし、家族と相性が良いと考える保護犬をパートナーとして引き合わせるという譲渡方法を取っています。

高齢の保護犬の場合膝の上にまったりと座ることが好きだったり、動作もゆっくりとしています。その場合、子供連れの元気いっぱいな家庭よりも、ゆったりとした時間を過ごせる家庭との相性が良いことがあると高橋氏より伺いました。

また、里親希望の高齢者の多くが犬を何頭も飼ってきた経験がある方で、適切な飼育方法を熟知しているだけではなく介護や看取りの経験もあります。それは若い世代の里親希望者にはない強みとのことです。

この「シニアドッグサポート制度」によって72組もの高齢者と高齢犬の新しい家族が生まれました。原田さんもその1人。50年間犬と一緒に暮らしてきた原田さんは、7年前にご主人を亡くし、その後愛犬との別れも経験しました。

また犬と暮らしたい、一緒に暮らすなら保護犬をと思い探しはじめたものの年齢を理由に断られてしまいます。そこでDOGDUCA 高橋氏がマッチングを行ったのは8歳のティーカッププードル、きよしくんでした。原田さんときよしくんは片時も離れず生活し、毎日4回散歩にいくそうです。

原田さんと笑顔の可愛いきよしくん

また、高齢者に譲渡して終わりではなく、DOGDUCAが常に飼育相談などのサポートを行い、里親に万が一のことがあってもDOGDUCAが引き取りを行うことが出来ます。シニアドッグサポート制度で譲渡した里親は皆、高橋氏に犬の様子を頻繁に報告したり、何かあれば些細なことでもすぐ相談が来たりと真面目に犬と向き合う方々ばかりだそうです。

また、現在DOGDUCAでは地域のケアマネージャーと連携することで、高齢者が亡くなったり入院する際に犬が自宅に取り残される事を未然に防ぐための取り組みも始めています。

保護猫の「永年預かり」という取り組みーツキネコ北海道―

アニドネ認定団体の特定非営利活動法人猫と人を繋ぐツキネコ北海道(以下ツキネコ北海道)では、保護猫の「永年預かり」という独自の制度を考案しました。年齢や持病など様々な理由により飼育をあきらめてしまった方に、猫を「飼う」のではなくしかるべき準備をしてもらった上でお世話が出来なくなるその時まで猫を「預かってもらう」という新しいシステムです。

また猫を選ぶのではなく、その方に合った猫をツキネコ北海道がマッチングするという仕組みになっています。譲渡費用も医療費、飼養にかかる生活費もご負担いただき。この一年で認知が広がり、現在約150名の方がこの制度を利用しながら猫と暮らしています。

代表の吉井氏曰く、猫の所有権はツキネコになりますが自身の愛猫として本当に可愛がってくダサる方ばかりとのことです。自分の猫は万が一なにかあったときにツキネコが面倒をみてくれる、その安心がある制度が永年預り制度、というふうに考えてくださっているようです。

最近ではシニア猫だけではなく、猫が苦手な若い猫やウィルスを保持している猫の預かりを高齢者にお願いする場合もあるそうです。猫を飼うことを諦めていた高齢者が、また猫と暮らし始めることで生活に潤いと活気が出て生き生きとし始める…そして猫たちもまた、施設で暮らすよりは家庭で暮らす方がずっとストレスは少なく、人の温もりを感じて暮らすことができる…双方にとって幸せな仕組みとなっています。

カメラマン 秋倉康介

ここにご紹介した、DOGDUCAの「シニアドッグサポート制度」、ツキネコ北海道の「永年預かり制度」は、全国ではまだ珍しい取り組みですが、近年の日本の殺処分の現状や保護活動の課題から見て、ますます需要が高まるのではないでしょうか。

高齢者と高齢犬猫を支える仕組みはまだほんの一部の保護団体で始まったばかり。

飼い主としては自身に万が一の事があった時に、犬猫が不幸になってしまわないために備えておく必要があります。

今回ご紹介した、高齢者と高齢犬猫を繋ぐ取り組みにより現在の日本の動物福祉の課題解決を目指す活動。今後もますます需要は広がる予想です。AWGsとしては、高齢者のサポートをする保護団体の支援や、信託の広がりをサポートしていきたいと考えております。

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ゴール 8

殺処分をゼロに

殺処分される犬猫は年間約1万4,000頭(令和3年度)。16万頭以上だった10年前と比べると激減しています。しかし譲渡向上は改善の余地があり、ゼロを目指すべきです。あらゆる角度から譲渡向上を考えます。

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