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「動物介在活動」の普及を通じ、犬・猫に多くの活躍の場を提供

活動レポート

「動物介在活動」第2回 医療従事者と共に患者さんに寄り添う 病院勤務犬

2021.11.30

介在犬モリス活動中
目次

犬だけが持つ不思議な力について、シリーズの初回記事でお伝えしました。この記事内でキャリアチェンジ犬の貸与を行っていることをお伝えした日本介助犬協会では、介助犬の育成だけではなく、動物介在療法のためにも犬を育成しています。

動物介在療法(AAT)とは

動物介在療法(AAT)は動物の持つ力を借りて人の精神的肉体的なケアをする補助療法で、医療従事者の指示のもと行われます。日本介助犬協会では、介助犬協会でトレーニングを受けた犬を介して動物介在活動や動物介在両方を行うことを『Dog Intervention(犬による介入)』と名付け、育成した犬たちのことをDI犬と呼びます。(DI犬)は、医師からの依頼のもとで特別な治療を必要とする患者さんに対して動物介在療法を実施したり、大学病院にDI犬(勤務犬 ※1)として貸与されています。

このDI犬の大きな特徴は医療従事者である医師や看護師がハンドラーとなり医療現場で共に患者さんの治療に当たることです。

ハンドラーとは犬が役割を発揮できるよう常に隣で支援する人のことで、大変重要な役割を持ちます。

介助犬協会では、犬だけがDI犬となれるようトレーニングを受けるだけではなく、DI犬のハンドラーとなる医療従事者の方もハンドラー研修を受け、ハンドラーとしての認定を受ける必要があります。

認定後、DI犬はハンドラーと生活をしながら、一緒に病院に出勤します。

招かれて外から訪問するのではなく、医療従事者の方の仕事のパートナーとして、また医療チームの一員として活躍をするのです。

日本介助犬協会では今まで3頭の犬がDI犬として認定を受けました。スタンダードプードルのミカとモリス、ラブラドールレトリバーのハチです。2015年4月にミカと共に医師・看護師の2名のハンドラーが誕生し、その後ミカの引退に合わせて、2019年2月に勤務犬モリスと看護師2名のハンドラーが誕生しています。2020年の10月にはハチと共に看護師一名のハンドラーが誕生しました。

ミカとモリスは、聖マリアンナ医科大学病院で勤務犬として(ミカは既に引退)、ラブラドールレトリバーのハチは愛知県にある子どもと女性の精神科クリニックにて活躍しています。

病院勤務犬(※1)のケース

入院中の子ども達を励ます勤務犬の日常をご紹介します。この写真は、モリスが、子どもの患者さんがこれから手術を受けに手術室に入るのを付き添っている場面です。

モリスが勤務犬として活躍する聖マリアンナ医科大学病院では長期入院する子ども達も多くいます。

モリスを撫でて触れ合ったり一緒に遊んだりすることで、子どもたちは辛い治療や投薬を頑張ろうと思えたり、怖い手術にも勇気を出して挑もうと思うことが出来るのです。実際に、手術後3日間に短期間でも犬と接触した子どもは、身体的肉体的な痛みの割合が低下するというエビデンスもあります(※2)。

まだあまり世の中に知れ渡っていないDI犬(病院勤務犬)ですが、AWGsでは他にも事例を紹介しながら、犬や猫がますます活躍の場を広げられる世界になるよう、微力ながら発信し続けます!次回のレポートもお楽しみに。

(※1) 病院勤務犬は聖マリアンナ医科大学病院の商標登録済み
(※2)出典:ウォルサム®研究所 人と動物の関係学「子供の健全な発育とペット社会的,情緒的および健康上の恩恵」

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ゴール 3

秘めた能力を解放させよう

人を支える犬がいます。近年は、研究の成果、動物との触れ合いが、人の心を癒したり痛みを緩和する効果を持つことが分かってきました。人に寄り添って心を癒すことを仕事とする犬猫の活躍の場を広げていきます。犬に過度な負担をさせないのが原則だと考えています。

AWGsアクションポイント

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アクションポイントとは