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いつかは来る看取り。覚悟して準備をしておこう

活動レポート

元気なうちから考えておこう(前編)~シニア期や介護のこと~

2026.05.31

犬と猫
目次

ペットは家族。そう言われるようになってからずいぶんと時間が経ちました。
ひと昔前は、犬は番犬として庭で飼う、猫は家の外に自由に出ていくという飼い方が主流でしたが、今では家族の一員として、家の中で一緒に暮らしている飼い主さんがほとんどではないでしょうか。

そんなかけがえのない存在の「うちの子」と、これからもずっと、できれば一生一緒にいたいと思ってしまいますが、大切に思えば思うほど、いつか必ずくる「その時(最期、お別れ)」のことも考えておかなければなりません。言葉を話すことができない「うちの子」が、何をして欲しいのか何を考えているのかは、信頼関係で結ばれた飼い主さんにしか気づけないことでもあるのです。

AWGsゴール11「健やかな一生を」のグリーフケアについての記事でも触れていますが、元気なうちに「その時」のことを考えておくことで、一緒にいる今の時間をより大切に過ごすことができ、気持ちの上でも不安が減って、この先に起こる様々なことにも対応できるようになるでしょう。「事前に知っていればこんなに後悔することはなかった」「もっといろいろしてあげられたのに」という飼い主さんの声をAWGsでもよく耳にします。

「うちの子」として迎えた時から「その時」を意識するというのは難しいかもしれませんが、まだまだ先だろうと思わず、なるべく早く、遅くともシニア期になったら考えてもらいたいことを2回に分けてリポートしました。

元気なうちから学ぶ

シニア期といっても、犬と猫では違いますし、特に犬の場合では小型犬から大型犬まで体のサイズによっても年齢の取り方がかなり違ってきます。個体差もありますが、一般的に犬は7歳頃から、猫は8歳頃からシニアと言われ、人の年齢に置き換えると40歳くらい。ちょうど私たちが介護保険の対象となる年齢ですから、これから先のことを考え始めるタイミングがシニア期だと考えてよいのかもしれません。

  1. 情報を集める(メディア・講演)
    最近は、テレビや雑誌の特集で、高齢のペットに関する情報を目にする機会がとても増えました。飼い主さん向けにわかりやすく書かれた書籍もたくさん出版されていますし、ペットの高齢化やシニア期のペットに関する講座やセミナーも数多く開催されています。病気や食事のことはもちろん、介護やお金などについての獣医師や大学教授など専門家によるお話は、私たちが知らないことも多く、機会があれば参加してみるとよいでしょう。
    事前に学んでおくことは、たくさんの愛情と癒しを無償で与えてくれている「うちの子」への恩返しにもなるはずです。
    <おすすめ本>
    「うちの犬が認知症になりまして」著:今西乃子(児童文学作家)
    「うちのワンコが、ニャンコが、死んじゃったらどうしよう」著:獣医師シワ男(藤原動物病院・院長)

  2. 情報を集める(インターネット・SNS)
    インターネットやSNSにも様々な情報があふれています。その中から「うちの子」の特徴や飼い主さんの考えに近いものをしっかりキャッチして参考にするのもよいでしょう。
    シニア期を迎えたペットの生活を発信しているSNSは、情報を得るだけでなく、飼い主さんの愛情に満ちたお世話の様子やそれに応えようと頑張る「うちの子」の姿にも勇気づけられます。ひとりで悩みを抱えがちな飼い主さんにとっては、自分だけじゃないと思うことで、気持ちが少しラクになるかもしれません。教えて欲しいことがあればDMを送って質問する、LIVE配信している場合にはコメントで聞いてみるのもよいですね。
    また、飼い主さんだけでなく、老犬猫ホームやペットシッターなど、プロ目線の情報発信にも学べるものが多くあります。

  3. 情報を集める(かかりつけ医を選ぶ・資格の取得)
    かかりつけの動物病院の先生はいちばん身近にいる専門家ともいえるでしょう。
    かかりつけ医を選ぶ上で、うちの子との相性も大切ですが、飼い主さんとの相性もかなり重要な要素となります。何でも話せてしっかり話も聞いてくれる、自分と考えの近い獣医さんに出会うのは意外と難しいのです。
    家の近くで通いやすいのがいちばんですが、少し距離があっても、本音を話すことができる獣医さんを探しておきましょう。考え方に大きく違いがあると、ゆくゆくは飼い主さんの後悔を招くことに。
    また、重い病気や介護が必要となった時に困らないよう、専門的な治療ができる、手術や入院の体制ができている、療法食に詳しいなどの動物病院を探しておくことができると、相談内容や治療の幅が広がります。
    そのほか、高齢ペットの病気や栄養、介護やグリーフケアに関する資格取得のための勉強は、学んでいるうちに自然と知識が身につきますので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

違いに気づけるようになる

トイレを失敗するようになった、寝てばかりいる、ごはんをあまり食べなくなった、体重が減ってきた、よくぶつかる、お散歩を嫌がるようになった、高い場所に上がれなくなった、夜になると鳴く、玩具に興味がなくなった、そんな様子はありませんか。こんな症状が現れたら、それは「うちの子」からのサインかもしれません。
少しでも「なにか違う」「何となくおかしい」と感じたら、いつも以上によく観察してみましょう。そして、年齢のせいと決めつけず、認知症など病気が隠れている可能性もありますので、かかりつけの獣医さんに相談してみましょう。
毎日一緒にいる飼い主さんだからこそわかる変化や違いに、早く気づいてあげることが何より大切です。

介護の体制を作っておく

状況の改善や予防のためにも、なるべく早く「介護の体制」を作っておくことが重要です。人と同じように、体力面・精神面・金銭面の負担が大きい介護ですが、時間をかけて少しずつ準備をしておくことで、シニア期になっても慌てることなく、充分なサポートができるようになります。フードはもちろん、高齢のペットに役立ちそうな介護用品やリハビリ器具などについても調べておくとよいでしょう。また、環境を整える、記録するなどの行動も大切です。

  1. 物理的な準備
    ●お散歩
    シニア期に入ると、少しずつ体を支えることが難しくなってくるので、首輪から体全体を支えられるハーネス(胴輪)に早めに変えるとよいでしょう。胴体だけでなく、後脚や前脚を支えることに特化したハーネスなどもありますので、「うちの子」の弱くなった部分を支えられるものを選びます。前脚を入れて着脱するものから、咬み癖のある子でも脱ぎ着しやすい首から被せるものまであり、洋服タイプなら家の中で着たまま過ごすことも可能です。
    その子にあったものを選んでサポートすることで、お散歩時の体の負担を減らすだけでなく、歩けることが運動に繋がり、人で言う「身体的フレイル」を予防する効果も。
    ハーネス以外では、ペットカートの利用や、ふらつき防止・肉球の保護に役立つ滑り止めのついた犬用の靴や靴下などを利用してみるのもよいですね。

    ●ベッド/クッション
    体の負担を軽減するためには、体が沈むものよりも高反発の素材を使ったベッドがよいと言われています。中でも、なるべく通気性がよく、清潔に保つため洗濯機で洗えるものが良いとされ、ペットの体のサイズに合わせたものから飼い主さんと添い寝できる大きなサイズまで種類もたくさんありますので、インターネットなどで探してみましょう。
    また、介護中の飼い主さんのSNSによく登場するのが、「介護用クッション」。寝ている時でも4つ脚の状態をキープできるため、床ずれ予防や排せつ補助、マッサージをする時などにも使用されています。立った状態でごはんが食べられることで誤嚥を防ぐことができるほか、横になっている時より視界も広がります。イベント会場などで体験会がおこなわれていることもありますので、ぜひ試してみては。

    ●車いす
    車いすは歩行補助器具と捉え、「歩けるうちに導入する」という考え方があります。4つ脚で立つことは犬にとって本来の動作を行おうとすることであり、本能が目覚め、生きる気力が高まり、寝たきりになるのを防ぐのだとか。立った状態で食事ができること、お散歩に行けることは、介護という観点からも役立つでしょう。
    ペット用車いす(二輪、四輪)の進化は目まぐるしく、体のサイズや状態でフルオーダーするものだけでなく、セミオーダーや既製品の種類も増えています。以前はかなり高額だった車いすですが、最近は手に入れやすい価格帯のものもありますので、いちど調べてみるのもよいかもしれません。

    ●食事
    これまで完食していたフードを段々と残すようになったら、これは単なる好き嫌いではなく、「歯の力が弱くなった」「好みが変わった」というシニア期に入ったサインかもしれません。そんな時、カリカリフードの場合では、お湯や鶏肉のゆで汁をかけてふやかすかウェットフードに切り替えることも検討しましょう。
    また、姿勢を保つことが難しくなってきたら、体高に合わせてフードボウルの高さや角度を変えてみるのもよいでしょう。食べやすくなるだけで、食欲が戻ることもあるそうです。
    口の横からこぼすようになったり、寝たきりになったりしたら、口元で食べさせてあげられる柔らかいシリコン製の器も便利です。視覚や聴覚が落ちてきても、最後に残るのは嗅覚と言われていますので、器ごとレンジで温めることで臭いが強くなって、いつもより食べてくれるようになるかもしれません。
    ただ、食欲不振は年齢のせいだけでなく、歯周病や腫瘍など、口の中の病気の可能性もありますので、気になることがあれば早めに動物病院に相談してみてください。



  2. 行動的な準備
    ●環境
    ぶつからないように家具の角をタオルや布で保護したり、滑りにくいマットに換えたりするのは良いことですが、配置をすべて変えるなど、大きく住居環境を変えると逆にストレスになってしまう場合があります。
    人でも、高齢になってからの引っ越しや移動など環境の変化は大きなストレスになると言われますし、動物は感覚が鋭いので、目が見えにくくなってからでも、慣れている生活空間の方が負担なく過ごせることも。
    「環境をあまり大きく変えない」というのも大事なポイントです。

    ●記録する
    自分だけで介護ができない時に備えて、お世話を頼める家族や友人知人と情報を共有しておくことも重要です。
    例えば、「うちの子手帳」や「エンディングノート」などを作って、かかりつけの動物病院や既往症、性格や体の特徴、好きなものや苦手なもの、日々の様子など、なるべく細かく書き留めておく。そうすることで、いざという時に人の手を借りることもできますし、災害時に離れてしまった時などにも役に立つでしょう。
    また、記録をしているうちに、「うちの子」の新しい発見や気づきがあるかもしれません。

    ●思い出作り(うちの子へのギフト)
    大好きなおもちゃやぬいぐるみ、好物のごはんやおやつ、タオルのにおい、ボール遊び、仲良しのお友達、ドライブ、日向ぼっこ、褒めてもらう、撫でてもらうなど、「うちの子」が好きなものや喜ぶことは何かをあらためて考えてみましょう。できることをなるべくしてあげることで感謝を伝えることができますし、「うちの子」の笑顔や楽しむ様子を写真や動画に残すことで、飼い主さんにとっても大切な思い出になります。
    もちろん、無理に何かをしなければならないということではなく、いつもより早く帰宅する、いつもよりたくさん名前を呼んであげるだけでも喜んでくれるでしょう。飼い主さんの気持ちは必ず伝わります。

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ゴール 11

健やかな一生を

目の前にいる可愛い子犬・子猫がどこでどのように生まれたのか、思いを馳せてみましょう。親元から離され、長距離輸送により精神疾患を病んだり、遺伝子疾患などの健康問題を抱えた子が存在しています。多くの犬猫が健康体で人生のスタートを切れるようにするための方法を考えていきます。さらに、家族として迎えた子と少しでも長く過ごすためにできることや「旅立ち」までの準備、「ペットロス」についても学んでおきましょう。

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アクションポイントとは