緊急事態宣言下の母を救ったレモン

To:レモン

From:まい

一人暮らしの母は2020年の年明けにとても可愛がっていた愛猫の三毛猫「みかん」を亡くし、ペットロスに陥っているように見えました。 わたしは車で4時間以上離れた場所に住んでいて、電話はできても度々訪れることは難しい状況で、困ったなあと頭を抱えることしかできませんでした。 するとすぐにコロナウイルスが日本にも広がり始め、自粛やソーシャルディスタンスが叫ばれるようになってきました。普段であれば社交的でいつも忙しそうにしている母ですが、人にも会えないとなると…このままでは母が元気をなくしすぎて鬱病にでもなってしまいそうと心配はピークに。 いてもたってもいられなくなり、保護猫を引き取り、母の家に届けることを思い立ちました。足を運べそうな保護施設やボランティアを片っ端から調べ、引き取れる保護猫を探し回り、一つの保護施設で出会った薄汚れたボロボロの赤ちゃん三毛猫を引き取ることにしました。 引き取った翌日、早速、車を飛ばして母に保護猫を託すことに成功。なかなかひどい状況で保護されていたので、皮膚も荒れてミミダニにも罹患、爪も切ったことがなく危険なレベル、当たり前ですが警戒心の塊だった赤ちゃん三毛猫に、母は驚いてもいましたが、なんとかしなくてはという気持ちにもなってくれたようでした。 先代猫「みかん」も柑橘系で、それよりも尖った感じだったので「レモン」と名付けられました。 その後すぐに緊急事態宣言が発令され、母と「レモン」は二人暮らしに。最初は一人で2階にも上がれなかった「レモン」ですが、安全な場所だとわかるとすっかり我が物顔で運動会をするようになりました。自宅にずっといたおかげか、警戒心はどこへやら母にはべったり甘えん坊です。 タイミングを見て、トリミングに行ったり、動物病院に連れて行ったりと母のお世話のおかげで「レモン」は美しく健康な(ちょっと食い意地の張った)猫に成長しました。 なによりも、緊急事態宣言下で一人で過ごすかもしれなかった母は、「レモン」が来たことで、すっかり元気と張り合いを取り戻し、本当にはつらつとしています。この出会いに感謝せずにはいられません。二人で仲良く日々の生活を楽しんでほしいと思っています。