ミラクル・キャット

To:まめ

From:にな

ねえ、まめ、覚えてる? 13年前の5月にはじめて出逢った時のことを。 うちに来るはずだった保護猫サイトの仔猫さんたちが手違いで他のお家にもらわれて、代わりに外をウロウロしていたあなたを迎え入れることができた。 迎えてみたらすぐにあなたの妊娠がわかってびっくりしたけど、2か月としないうちに可愛い仔猫を産んでくれた。 あなたが絶妙のタイミングで出産してくれたから、その後に控えていた引っ越しも予定通りで完璧にこなせた。そんなことって、なかなかできることじゃないよ。 産まれた仔猫はみんな可愛くて、結局うちでは5匹の大所帯になったけど、あなたが素晴らしいママだったからわたしたちには何も手がかからず、本当に楽しませてもらったし幸せだった。 猫仕様にしてもらった新しいお家で、親子5匹で存分に駆け回ったよね。おもちゃに飛びつくのも追いかけっこもいつもママが一番で、仔猫たちも遊び上手に育ったんだね。 本当に、本当に楽しかったねぇ。 病気になってからも一時的に持ち直す子はたくさんいるって聞くけど、あなたはすごく頑張ってくれた。ヘタレのわたしには、あの1か月半の猶予がなかったらどうなっていたかわからない。ガリガリだったのにしっかり太って希望をくれてありがとう、まめ。 そして、わたしの誕生日を祝った次の日に虹の橋へ引っ越してからも、ちょくちょくわたしの様子を見に来てくれてありがとう。 ずっと見守っていてくれるんだ、と思えることがこんなに心強いということを、他の誰からでもない、あなたから教わったよ、まめ。 またいつか虹の橋で再会できるまで、待っていてね。 きっときっと逢えるから。 いつまでも大好きだよ、まめ。