We Are All Alone !
To:ゴマ
From:川手 和美

今の私は「独居老人」で、家庭内野良猫のゴマと暮らしております。 ゴマはこの春14歳になります。わが家の庭で生まれた野良猫の子猫。母猫は我が家周辺のとても広い地域を縄張りとして半年に1度子猫を出産していた恋多きサビ猫でした。ゴマは4ニャン兄弟姉妹で生まれました。 ある小雨模様の寒い初夏の日、昼間は人の気配が無いわが家の庭で、手のひらに乗るような子猫たちを見つけました。ペット禁なのと、おびえてすぐに逃げてしまうので近寄れず、冷蔵庫にあった竹輪をちぎって投げてあげました。飢えていた子猫たちは竹輪に飛びかかるのですが、食べるためにはそれを下に置かなくてはならない、でも置くと他の子に取られてしまう・・・というジレンマで、寒さに身を寄せ合っていたはずの兄弟姉妹がお互いを威嚇しながらの食事、4方向にほぼ同時にチクワを投げて、子猫たちを散らすようにして一番弱い白猫にも食べさせることに成功しました。 わが家はペット禁なので庭でこっそりご飯をあげていたのですが、我が家の上階の方が見かねて玄関先に招き入れてご飯をあげるようになりました。 その後、ゴマには猫の春が来て出産、子猫は6匹もいて全部柄違い(笑)。その方が中心になって一生懸命里親を探し、もらわれていきました。 子猫全部がもらわれた後、ゴマを捕獲して避妊手術を受けさせました。捕獲器なんて知らなかったので、2人かかりで布団カバーに落としました。 その方がお引越しされたため、ゴマの世話をするのは私と家族だけになりました。 家の中でご飯を食べて外に出てしまう数年、寝場所が家になった数年を経て、完全室内飼いになってまだ1年です。冬の深夜に洗い髪を凍らせながら迎えに行っても少し離れてついてくるだけ、振り返ると止まってしまい、車が来ると逃げて行く・・・まるで「だるまさんがころんだ」でした。 しかし娘にだけはよく懐き、反抗期で私と折り合いが悪かった彼女が家出をしなかったのは、ゴマがいてくれたからだと思います。 今は甲状腺機能亢進症を発症し、薬をあまり飲んでくれないのでゆっくりゆっくり痩せております。 娘も息子も進学時に家を出て、1月には最愛の主人も亡くなり、同じ家の中にいてもなかなか姿を見せてくれない家庭内野良猫ですが、たった2人の生活です。2人でゆっくり老いていければと思います。画像は外にいた子猫の頃、雪の上を歩く姿です。