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本能的欲求を満たそう

活動レポート

犬の散歩を取り巻く現状・法改正の提案

2021.08.01

目次

みんなの散歩の頻度はどれくらい?

皆さんや周囲の飼い主さんは、どれくらいの頻度で散歩をしているでしょうか?

全国のインターネット調査では、毎日散歩をしている方が62.7%、毎日は出来ていないが週1度以上している人が16.2%、週に1度よりも少ない頻度が21.1%という結果が出ています*1
*1出典:スマートアンサー公表 犬の散歩に関するネット調査(日本、2015)

ここから分かることは、37.3%、実に4割もの方が、散歩を毎日の習慣には出来ていないということ。

また、21.1%。5人に1人が、犬の散歩を週に1度の習慣にも出来ていない。つまり、ほぼ散歩に行っていない実態が明らかになりました。

*1出典:スマートアンサー公表 犬の散歩に関するネット調査(日本、2015)

なぜ散歩が大事なのか?

散歩に行けないと犬が「無駄吠えをする」、「普段と違うところでトイレをする」、「いたずらをする」といったストレスを示す行動変化がみられるといいますが、飼い主のアンケート調査によると2匹に1匹が、「散歩に行けないと犬に行動変容が見られる」と答えたそうです。*2
*2出典:アイペット損害保険公表 雨の日の散歩に関するネット調査(日本、2017)

散歩は犬の本能的欲求を満たすために欠かせないものです。

運動による健康維持という基礎的な欲求に加え、①近所の匂いを嗅ぐことによる周囲の状況把握、②他の犬とのコミュニケーション、③外の様々な刺激を受けることでのストレス発散といった高次的な欲求も満たすからです。
私たち人間が仕事や趣味・仲間との会話を通じて得られる楽しさが、犬にとっては、その大部分が散歩に凝縮されているように思います。


そのため、以下の例のように、犬の特性に合わせて工夫をしたうえで、すべての犬に散歩の機会を与えてあげることが大事だと考えています。

犬の個性に合った散歩の工夫の例:

1.他の犬に対して攻撃的な犬は、仲良くできるようにしつけをして、犬同士の挨拶を見守る
2.多くの運動量を必要としない小型犬は、短時間でもいいので道を歩かせてみる
3.足の弱った老犬は、日光浴のためにバギーで散歩に連れ出してあげる 

散歩の頻度を法律で義務付けている国とは?

ドイツでは、「犬の飼い主は少なくとも1日2回、合計で1時間以上、犬の散歩をする」という法律が、国内940万頭の犬を対象に2021年から導入される予定*3です。

*3出典:犬に関する法規命令Tierschutz-Hundeverordnung法(ドイツ、2020)

ドイツの農業大臣、ジュリア・クレックナー氏は、ドイツ国内にいる犬の多くが必要な運動や刺激を受けていないことと、犬には他の動物・自然・人間との十分な接触が必要であることを理由に、新たな法律を導入することを決定しました。

この法律制定から、「犬はかわいいおもちゃではない。犬自身が持つ欲求を考慮する必要がある」という、クレックナー氏の強い意志が伝わってきます。

しかし、「1日2回以上、1時間以上」という厳しい条件は、国民の間で物議を醸しだしています。
ドイツ国民からは、次のような意見が出ています。*4
*4出典:ニュースサイトBild(ドイツ、2020)

ブリーダーの意見
「新しい犬法には、おそらく意味はありますが、非現実的です。犬は私たち人間と同じように、それぞれの個体に違いがあります。たくさんの散歩を必要とする犬もいれば、少ない散歩で済む犬もいます。朝と夕方の十分な散歩は成犬には嬉しいものです。しかし、生後9カ月ほどの仔犬の場合は、短い時間の散歩を1日に3~4回した方が良いでしょう。年老いた犬の場合は、1日に2回、近所を少し歩くくらいの短い散歩で十分です」

飼い主の意見
「近所の人に『犬を十分に散歩していない』と判断されたら通報されてしまうのか?」
「病気で歩くことができない犬はどうすべきか?」

日本で目指すべき法律とは?

前例のドイツを踏まえても、日本では、現実的な法律を定めるべきだと考えています。

一案として、「毎日散歩に行くこと」を原則としつつも、「2週間以上など連続して散歩へ連れて行けないことが繰り返された場合には違反とみなす」といったように、長期間、散歩をしていない場合に取り締まる法律が有効と考えています。

毎日欠かさず散歩に行っていることを行政が人手でチェックするのはハードルが高いですが、例えば、GPS情報を記録するIoTデバイスを犬に取り付け、「長期間の1箇所への滞在」を自動的に検知できれば、少ない労力で取り締まることが出来るのではないでしょうか。

多くの犬がより充実した生活を送るために、長く散歩に連れて行ってもらえない気の毒な犬の飼い主を通報・警告できる仕組みが必要です。ぜひこちらから署名にご協力をお願いいたします!

出典一覧: 

*1 スマートアンサー公表 犬の散歩に関するネット調査(日本、2015)URL
*2 アイペット損害保険公表 雨の日の散歩に関するネット調査(日本、2017)URL
*3 犬に関する法規命令Tierschutz-Hundeverordnung法(ドイツ、2020)
*4 ニュースサイトBild(ドイツ、2020)URL

※掲載の文章・写真はアニマル・ドネーションが許可を得て掲載しております。無断転載はお控えください。

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