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2021.11.23

殺処分をゼロに

動物愛護センター最前線 第1回「意外と知らない? 動物愛護センターの役割とは」

みなさんは「動物愛護センター」と聞いて、どんなことを思い浮かべるでしょうか?

飼えなくなった動物や野良犬・猫を引き取って次々と殺処分する施設と思っている人もいるかもしれません。たしかに動物愛護の意識が今ほど高くなかった一昔前にはこうした側面があったのも事実ですが、動物愛護センターの多くは現在、殺処分ゼロに向けて動物の命を助けることを一番に考えながらさまざまな取り組みを行い変化を遂げています。今回は、2つの施設を取材してわかった動物愛護センターの”今”を3回にわたってお送りいたします。

動物愛護センターの役割

動物愛護センターは、法令に基づき、全国の都道府県または市区町村に設置されています。規模は地域によってさまざまですが、動物に関する業務内容は、引き取りや捕獲、譲渡、動物愛護の啓発活動を行っています。そのほかにも動物取扱業の登録・指導や動物由来の感染症に関することまで、実に幅広い役割を担っています。

殺処分に関しては、近年は国を挙げて「殺処分ゼロ」を目指していることもあり、みだりに殺すのではなくできるかぎり命を守る方針にシフトチェンジしています。

収容されている動物はどこから来るのか

では、動物愛護センターに収容されている犬猫はどこから来るのでしょうか? 

犬猫の収容には「引き取り」と「保護」があり、犬については「捕獲」も加わります。引き取りは、飼い主の死亡や飼育放棄など人間の都合で飼えなくなったペットを言います。保護は、飼い主不明の犬などが発見者により持ち込まれるケースのほか、交通事故などで負傷した犬猫や、幼弱犬猫が含まれます。飼い犬猫への所有者明示や、不妊去勢手術、猫の屋内飼養の徹底を行っていれば防げた引き取りや保護も数多くあることでしょう。一方、捕獲とはおもに野犬(野良犬)です。野犬は都市部ではほとんど目にしませんが、山間部の多い地域を中心に今なお多数生息しています。住民からの通報を受け、センターの職員が捕獲を行います。

犬の捕獲に使う捕獲器(茨城県動物指導センター)

捕獲される野犬も、本を正せば人間が外に放したり捨てたりしたペットが繁殖した結果。動物に罪はありません。こうして動物愛護センターには毎日多くの犬猫が運ばれてきます。

殺処分の実態

「殺処分ゼロ」に向けた取り組みが全国で行われているとはいえ、動物愛護センターといえば殺処分を思い浮かべる方も多いかと思います。10年ほど前までは全国で何千何万という犬猫が動物愛護センターの主に殺処分機などによって処分されていました。

一方、近年「殺処分ゼロを達成!」とうたっている自治体は増えているものの、その多くが「※ただし譲渡適性の低い動物を除く」という条件付きの殺処分ゼロだという実態があります。つまり、著しく攻撃性が高かったり、不治の病気に罹患しているなどの理由で譲渡適性が低いと判断されて殺される犬猫は、殺されているにもかかわらず殺処分数にカウントされていないことがある、ということです。譲渡見込みのない犬猫がセンターに増え続けると収容スペースを圧迫してしまう、という事情があるのも事実なのですが、犬猫が人間の都合で殺されてよい理由にはなりません。

この現実を憂慮し、各地の動物愛護センターも動き始めています。たとえば名古屋市は令和11年度までに「すべての猫の殺処分ゼロ」の実現を目指し、平成28年度からは、すべての犬の殺処分がゼロを達成・維持し、令和元年度には、「猫の理由なき殺処分ゼロ」を達成しました。また、野犬の多い茨城県はドッグトレーナーを起用し、人に警戒心を見せる犬の問題行動を是正し譲渡適性の向上を図ることによって譲渡を推進しています。

ちなみに、名古屋市も茨城県も殺処分数の減少に伴い、名古屋の殺処分機は撤去され、茨城の殺処分機は現在稼働していません。そのため、犬猫の収容スペースが拡張されています。動物愛護センターの負の象徴ともいえる殺処分機の撤去や稼働停止は、今後も各地で増えていくことが期待されます。

変わりゆく動物愛護センターの現場

これらを踏まえてわかるように、動物愛護センターは現在「収容数の削減」「殺処分ゼロ」「譲渡促進」「啓発活動」など非常に多くのことが求められています。山積する課題に対し、現場はどのような変化を遂げているのでしょうか? 次回は、譲渡に力を入れている名古屋市動物愛護センターと、かつては犬の殺処分数ワースト1だったものの近年収容数も殺処分数も激減している茨城県動物指導センターに取材したレポートをお届けします。

第2回に続く▷▷

動物愛護センター最前線 第2回「現場はどう変わった?取材レポート」

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