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いつもあなたと一緒に

活動レポート

ペットとの飛行機移動について考えてみませんか?

2024.06.16

目次

AWGsで掲げるゴールの一つが「いつもあなたと一緒に」です。

ペットとの旅行は我々とペットの絆を深めるとても素晴らしい経験になりますよね。しかしその一方で、移動時のペットの安全性やペットに与えてしまうストレスについて考えたことはありますか?

旅行といっても、近場、車や電車での移動、飛行機など様々な交通手段がありますが、この記事では、注目を浴びている飛行機でのペットとの移動に焦点を当てて、獣医師でありペットとの飛行機移動をご経験された増山先生にペットとの移動にまつわる現状や注意点ついてお話を伺いました。

ペットの飛行機移動における基礎知識や増山先生の見解を知っていただくことで、少しでもペットとの快適な飛行機移動を考えていただくきっかけとなれば幸いです。

ペットを飛行機に乗せるべきかをまず考える

まずは本当にペットと一緒に飛行機で移動する必要かを考えることが第一歩。

飛行機での移動は特に慣れない場所で、慣れない行動をペットに強いてしまうため強いストレスがかかってしまう可能性が高いためです。また安全性に関しても万が一の時には、荷物や貨物としてペットを飛行機内に置いていかなければならないかもしれません。

そのためAWGsではペットと楽しむことを目的とした旅行では飛行機での移動を推奨せず、やむを得ない場合にのみ飛行機に一緒に乗るというスタンスを推奨します。

ペットと一緒に飛行機に乗る前の準備は?

ではその上で、ペットと一緒に飛行機で移動せざるを得ない場合にはどのように準備したらいいのでしょうか?

まずはキャリーに慣れるトレーニングを飛行機に乗る数か月前から行い、同時に長時間の移動になることを考えてトイレのトレーニングも行うことをお勧めします。
さらに、かかりつけの獣医さんに相談して酔い止め薬や抗不安薬などを事前に処方してもらうことも考えてもいいかもしれません。

猫のようにトレーニングが難しい場合にも同様に獣医さんに事前に相談した方がいいでしょう。

航空券を予約する航空会社はどう選んだらいいの?

まずは客室内に一緒に乗れるのか、または貨物室に預けなければいけないのかを考える必要があります。

アメリカ、ヨーロッパ、韓国の大きな航空会社(以下表参照)では前の座席の下に入るくらいのキャリーに入ったペットの客室内持ち込みが可能となっているケースが多く、日本でも一部の航空会社は対応している航空便を出しています。

国際線の場合には検疫やマイクロチップなどの手続きもあるので目的地や経由地でのペットの入国条件や各航空会社で必要な手続きをよく確認すること、わからなければ直接メールなどで事前に気になることを確認することをお勧めします。

国によっても必要な要件が変わるため、手続きには細心の注意を払いましょう。

移動当日はどうのようにしたらいい?

航空券の手続きやペットの預け入れについて無事に確認し終わって、さあ飛行機に乗る当日です。

まずはペットの健康状態、トイレ、ご飯に普段以上に気にかけてみてください。
さらに気温など外的な環境要因の変化も重要です。暑すぎたり寒すぎると空港までの道中で体調を崩してしまったり、貨物としてペットを預ける場合には苦しい思いをさせてしまうかもしれません。

もしペットを手荷物として客室に持ち込める場合には、海外の一部の空港にあるペット用のリフレッシュスペースで休んだり、乗り継ぎの合間でも同様のスペースがあれば一緒に休んでもいいでしょう。

飛行機搭乗前にお腹を出してリラックス(写真提供:増山先生)

客室内で一緒にペットと乗るときにはどうしたらいい?

もし客室内で一緒に乗ることができる場合にはできる限りそばにいてあげましょう。

大好きなフードやおやつで気を紛らわせるのも一つの手ですが、ペットが強いストレスを感じ、食欲がない場合は無理に与えないようにしましょう。飛行機の移動によるストレスとフードの匂いがペットの中で繋がってしまい、飛行機を降りた後もフードを食べなくなってしまう可能性があるためです。

実際に増山先生の愛犬は飛行機を降りた後の約2週間フードから逃げてしまっていたとのことでした。

機内で飼い主のそばにいられるので安心してうとうとする増山先生の愛犬(写真提供:増山先生)

目的地の空港に到着した後は?

貨物室に預けている場合には空港に到着後すぐにペットの体調を確認してください。

必要に応じて獣医さんにすぐに連絡できるようにかかりつけの獣医さんには飛行機での移動日時などをお話しておくとよいでしょう。

移動先で動物病院を探しておくのも一つの安心材料になりそうです。

まとめ

皆さんはペットとの飛行機移動についてどのように感じられたでしょうか?リスクが多い?ペットがかわいそう?いろいろと感じることがあったかと思います。 

どうしても飛行機を使って移動せざる得ない場合にはこの記事、獣医師のアドバイスや航空会社のポリシーを参考にして、大切な家族と一緒に安全な旅路を過ごしていただければ嬉しいです。

ぜひこちらからアンケート回答にご協力をお願いいたします!

最後に、増山先生からこれからペットとの旅行を考えている方へのアドバイス

まずはどうしてもの用事がない限りは飛行機にペットを乗せない方がいいでしょう。

もし行き先が海外なら何時間もトイレもできないですし、慣れない環境でのストレスもあります。ペットの性格も十分考慮して検討してあげてください。
どうしてもペットを連れて行かないといけない場合には、事前にキャリーやトイレのトレーニング、そして獣医との相談が大切です。猫の場合には逃げないようにハーネスをつけるトレーニングをしていても良いですね。

到着後はペットのリフレッシュ場所がある空港ならそこですぐにペットの体調を確認してくださいね。

増山先生プロフィール

2018年 北海道大学獣医学部共同獣医学課程修了。小動物臨床医として4年間勤務後、米国パデュー大学にて客員研究員として勤務。

参考情報

1. 客室へのペット同伴 JALは「議論開始」、ANAは?独自アンケート.
毎日新聞社. 2024-02-02, https://mainichi.jp/articles/20240201/k00/00m/040/106000c.
2. Pet Travel, Inc. ”Airline Pet Policies”. Pet Travel. come. 2024, https://www.pettravel.com/airline_pet_rules/easyjet.cfm.
3. Kendol Media, Inc. “Airline Pet Policie”. BringFido. 2024, https://www.bringfido.com/travel/.

表 ペットの客室持ち込み可否に関する航空会社リスト

航空会社ペットの客室持込可否
デルタ航空アメリカ
アメリカン航空アメリカ
ユナイテッド航空アメリカ
サウスウエスト航空アメリカ
アラスカ航空アメリカ
ジェットブルー航空アメリカ
ブリティッシュ エアウェイズイギリス不可
イージージェットイギリス不可
エミレーツ航空UAE不可
ターキッシュ エアラインズトルコ
Swissスイス
イベリア航空スペイン
大韓航空韓国
シンガポール航空シンガポール不可
アエロフロート航空ロシア
カタール航空カタール
KLMオランダ
エアアジアマレーシア不可
ANA日本不可
JAL日本不可
スターフライヤー日本
ライアンエアーアイルランド不可
ルフトハンザドイツ航空ドイツ
エールフランス航空フランス
エアカナダカナダ
カンタス航空オーストラリア不可
※2024年2月時点(AWGs調べ)

※掲載の文章・写真はアニマル・ドネーションが許可を得て掲載しております。無断転載はお控えください。

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