立てない天使がやってきた!
To:マーブル
From:平野克美

キャバリアのマーブルに出会ったのは、保護団体のバザーと譲渡会の会場でした。 あまりの可愛らしさに、マーブルを抱っこしたいと、たくさんの人が円になり、順番に抱っこをしていました。その間ずっと、ブルブル震えて可哀想だなと思って見ていましたが、順番が来たので、優しく声をかけながら、まだ小学生だった娘が抱っこすると、ピタッと震えが止まりました。あれ? 他の方の所へ行くと、またブルブルが始まりますが、何度試しても、娘が抱くと震えがとまります。それを見ていた保護団体の代表が「連れて帰って」の一言を(笑)我が家は市営住宅。飼うわけにはいきません。愛護団体から以前キャバリアを保護した私の父に電話すると「連れてこい」と一言。本当かな?と思いつつ、お試しという事で、父の所へ連れて帰りました。しかし、ブリーダーからの処分犬で保健所に出されたマーブルは、ケージの中で垂れ流しで育ったそうで、人に興味はなく、立つことすらできません。日中、仕事のある父が、立てるようになるまで預かってくれというため、仕方なく実家から我が家にマーブルを連れて帰りました。 大人になってから、自分の責任で犬の面倒をみるのは初めての経験で、まずは環境になれさせ、名前を呼んだら顔をむけるようにしむけ、公園に連れて行き、草の上に寝かせたり。少しずつ、人にも興味が出てきて、自分で歩いて散歩を楽しむなど、犬らしくなってきたところで父に連絡すると「お前の所で懐いてるから、お前の所で飼ってやれ」と一言。娘は大喜び。唖然としてしまいましたが、そのために我が家は中古ながら一軒家を購入。同時に、病気が発覚した父の変わりに、保護犬の預かりや、入院した父のシーズーを預かり、毎朝病院に犬を連れて行き、父と散歩をさせるなど、我が家は犬を中心にまわっていきました。 結果的に、私は犬の資格をとったり、主人が怪我をして、介助犬を迎えたり。マーブルがつけてくれた道は、とても大きなものになりました。 マーブルは、平均寿命をはるかに越えて、推定15歳まで長生きし、私たちに、老犬介護を教えてくれました。 私はその経験を生かし、今年、犬のマッサージ資格を取得する予定です。そして、マーブルに教えてもらった老犬介護の経験を、介助犬の引退後に発揮しようと思っています。 マーブル、ありがとう!