私の最初のお友達

To:チャメ

From:みなえ

私は現在72歳なのですが、私の小さなころ飼っていた犬の話を致します。昭和24年頃だった思いますがその頃に来たコリーの雑種チャメ(オス)です。 当時、東京の世田谷区に住んでいましたが、犬を放し飼いにしてる家庭もよくありました。チャメはそんな中で強く生きた犬でした。 産まれて、目が開く前に親犬から捨てられ、私の母がそれを見てかわいそうだと連れて帰ってきてから我が家の家族になりました。 とても気が強く利口な子。地元ではよく他の家の犬を後ろに連れて先頭に歩いていました。 ある日、家に帰ってこないのを心配した母は探しても見つからず、もしかしたらと思い犬の収容所へ足を運びます。そうしたらそこでケガを負い怯えているチャメを発見。説得し、なんとか連れ戻すことができました。他の犬とケンカをしたのか、後ろ左足を負傷し、獣医さんに見せたら「もうかわいそうだから安楽死させよう」と言われそんなことかわいそう!と思った母が足を切断するという決断に至りました。足を切断することはチャメにも私たちも辛いこと、しかし安楽死より生きることが大切だと判断しました。チャメが8歳の時でした。 チャメは11歳の時、老衰で死にました。その頃は家の中で看病をしていたのですが、私の母に最後の別れを言いに来たのか、渡り廊下を這ってきて母に会いに来ました。 赤ちゃんのころ引き取られた際、ミルクを薄めてガーゼに含んで育ててくれた母が本当の親と思っていたのだろうと思います。私にとってチャメは、大切な友達でした。持病があり、担任とも上手くいっていなかった私はよく「チャメは学校に行かなくていいね」と言っていました。小さな私にとって一緒にいて安心したなぁ。今でも大切な友達です。