妖精猫エル

To:エル

From:ミュウシャ

私は、幼い頃から人とうまく接することができず、辛いことがあっても誰にも相談する事が出来ませんでした。そんな私と家族になってくれたエルに無償の愛で癒され、救われてきました。エルのふわふわの白い毛は妖精のようにキラキラ美しく、いつもうっとりしていました。エルと暮らし始めてからは、毎日遊んで色んな事を相談に乗ってもらったり、エルからたくさん愛情を注いでもらい、どんなに落ち込んでる事があっても、エルがそばにいてくれるだけで、私はとっても幸せでした。そんなある日、エルが行方不明になってしまい、何日も家に帰ってこない日々が続きました。私は凄く心配で心配で、「エル~!!エル~!!」と大きな声でエルの名前を呼びながら、家の近所や少し離れた場所等を毎日探し回り、迷子のチラシを貼るなどして、エルを必死で探しました。当時学生だった私は、学校に行ってもエルの事が心配で心配で頭から離れず、夜も寝付けない日々が続き、ぐったりとしてしまいました。それでも諦めずに、家の窓を開け庭に向かって「エル~~!!エル~~!!」と呼んだ時に、「ニャ~」と、聞き覚えのある声がしたのです!!私は、はじめ聞き間違いではないかと耳を疑ったのですがもう一度、「エル~~!!」と叫ぶと、「ニャ~!!ニャ~!!」と私を呼ぶエルの声がするではありませんか!!私は、我を失い、靴も履かずに靴下のまま庭に飛び出し、壁を乗り越え、鳴き声のする方へ向かうと、なんと!!隣のお家の倉庫のような所からエルの鳴き声がするのです!!私は、慌てて扉を開けると、エルが私の顔を見て、「ニャ~」と鳴いたのです!!私は、エルが無事で本当によかったと凄く感動し、泣きながら「エル~~!!」と言ってエルを抱っこすると、エルは喉をゴロゴロ鳴らしながら、私との再会を喜んでくれて、その後家に連れて帰りたっぷりのごはんを食べてもらって、夜は一緒に眠り、エルがいてくれる事の幸せを心からかみしめました。時は流れ、高齢になったエルは何かを悟ったのか、台風が来る少し前に、妖精のようにふわりと姿を消しました…長い年月が経った今でも愛するエルの事を忘れた日は1日もなく、私の最愛の存在です。自然災害等で迷子になった、猫ちゃんを含む動物さん達の話しを聞く度に胸が痛みます….。可愛いご家族がどうか無事でありますように…。そして、元気にご家族の元に帰って来れますように心からお祈りします…。