大草原のシェパード、ローラ。また会える日まで。

To:ローラ

From:いくこ

もう40年くらい前の写真です。 当時流行っていた警察犬のドラマに影響されて、私設警察犬訓練所から買ったシェパード。 札幌の地でのびのび暮らして欲しく、同じく流行っていた当時の海外ドラマから、ローラと名付けました。少女だった私とローラ。一緒に遊ぶのがとても楽しかった。春夏は、川べりに行って、ボールを投げて遊びました。冬は広場に行って雪遊び。ローラは投げた雪玉をジャンプしてパクッとかんでキャッチ。雪玉は崩れますが、雪はいくらでもあるので「終わらない遊び」に。 ローラは賢い、とても賢いコでした。生後8ヶ月から2ヶ月間、訓練所に預け、訓練を受けましたが、訓練士から「明るい性格ですよ」と言われて、うれしかったのを覚えています。 訓練所ではピシッと命令を聞いていましたが、自宅に戻って、私や家族が「伏せ!」と命じると、たしかにすぐに伏せるのですが、「待て!」と命じ、後ろを向いて歩きだすと、バレないようにと、こっそり匍匐前進で、着いてくるのでした(笑)。 その頃、「北海道にはフィラリアはない」というのが定説だったので、外で飼っていても、対策はしていませんでした。ローラはまだ7歳くらいだったかと思いますが、嘔吐や腹水が溜まり、調べてみるとフィラリアで。もう、手遅れでした。明るい性格のローラが、日に日に、元気がなくなり、いつも遠くを見つめているような表情になりました。今、思い出しても、心が痛く、せつなく、悲しい気持ちになります。 いつもは外で飼っていましたが、ある日、母が、ローラを玄関に入れました。もう、長くないと思ったのでしょう。次の早朝、大きく咳き込むような音を母が聞いたそうです。私たちが起きたときには、ローラはもう、虹の橋に旅立っていました。 当時の日本の動物の育て方・飼い方は、今に比べてずさんでした。世の中みんながそうでした。今ならもっときちんと知識を持った世話ができたのに。病気にさせずに済んだのに。今思うと苦しいです。 今でも会いたい気持ちでいっぱい。忘れられない最愛の犬です。 いつか私が虹の橋に行ったときには、ローラは必ず、迎えに来てくれるでしょう。お腹を見せて転がり、「待ってたよ、早く一緒に遊ぼうよ!」と誘ってくれるでしょう。 明るく天真爛漫で賢いローラと、また遊べるときがくると思うと、私は自分の人生の終わりのときが来ても、笑顔でいられるような気がします。