ミクゥ、his Story

To:Micou

From:Ako Utena

紀元前、ぼくの祖先はトルコのアンカラにいました。何100代か後、ヨーロッパを北上してフランスに辿り着きます。そして紀元2000年、パリ西郊外イヴリンヌ県の片田舎でぼくは生まれました。ターキッシュ・アンゴラとのミックス、半長毛の黒ねこミクゥ=Micouです!時空を超えたぼくのストーリーは本当に長大で波乱万丈〜その一部をここにご紹介します。  2002年6月9日は生々流転のニャン生の中でも忘れ難い“生まれ変わりお誕生日”です。というのも〜このふた月前、生家のヒトからとつぜん監獄(SPA=動物保護協会という所だとか)に放り込まれ、ほぼ屍状態だったところに、やっと本当の家族が迎えに来てくれたから。この時の思い出をママンA女はいつだったか話してくれました〜ぼくが檻の格子からチョンチョン手を伸ばしてA女達を呼び止めたこと、初めてぼくを抱っこしたとき羽のように軽かったこと(屍だから当然だよね)、里親に課せられる4頁の筆記試験に辛くもパスしたこと〜。こうしてK家の一員となった初日はあまりの嬉しさにゴロゴロが止まらないし音が大きすぎてみんなをビビらせちゃった。『おっきな緑の眼がウルウルしてるー泣いてる?』って大騒ぎにもなっていました。  2006年10月16日はニャン生上、抜きん出る試練の日でした。真っ暗な空間、あり得ない轟音、振動、それが永遠に続く中にぼくはひとりぼっち。どんなに泣いても叫んでも誰も助けてくれない。どうして?どうして?どうしてまたぼくを放り出したの?って心はついに壊れてしまった… 移動用檻に入れられてCDG空港で家族と離されてから10数時間後、ぼくは何故かまだ生きていてNRT空港で家族に再会します。その時の風貌は完全に「精神を病んでいるヒトの顔」だったそうです。検疫所で獣医さんのチェックを受ける頃にはいつもの美猫ミクゥに戻っていて家族は胸を撫で下ろしたようですが。  日本に移住してから幸せいっぱいの12年間、家の中では悠々自適のお坊ちゃま生活を、外では「女の子ちゃん」と渾名を貰いながらも(うふっ)、仲間の揉め事の中心にしゃしゃり出て大怪我を負ったことも幾度か。  そして2018年7月9日、再び子猫のようにちっちゃく可愛らしくなったぼくは、たくさんのお花に囲まれてこの地の家族とお別れしました。今は守護天使Ange-Micouとなって、いろいろな世界や宇宙をKパパと一緒に自由自在に駆け巡っています!