シッポの生えた娘
To:おこめ
From:くらむぼん

ママは、病気をキッカケに仕事を辞めて、療養に専念することになったの。ある日、商店街のペットショップにパパと、ふらっと入ったの。ママは生まれつき猫アレルギーだから、生まれてから猫に触れたことすらなかったんだ。でも、その日生まれて初めて猫を抱っこさせてもらって、その仔がシャルトリューという猫だったの。衝動的な行動はできない、そう考えたんだけど、結婚して暫く経っても子供が出来ない寂しさもあって、どんどん猫をお迎えしたい気持ちが強くなっていったんだ。数日後、そんなママの気持ちを投稿したインスタグラムを見てくれたフォロワーさんが、シャルトリューのブリーダーさんを紹介してくれたの。ブリーダーさんにアレルギーの相談もして、トライアルを経ておこめは、奇跡的にうちの子になってくれたんだ。おこめという名前はうちが米農家で、お米のようにまっすぐ育ってくれるようにつけたよ。初めての猫との生活は分からないことだらけ。お迎えした翌朝、いきなりゴロゴロ言い出したときには、病気かと焦ってブリーダーさんに連絡したら「ゴロゴロいうのは甘えているからなんだよ」って。今では笑い話だよね。初めて動物病院に連れていったら、おこめの足の病気がわかり、将来歩けなくなると言われ、目の前が真っ暗になったよ。でも、例えこの子が歩けなくなったとしても私がこの子に世界を見せてあげよう。そう考えて、少しでも長く一緒に居られるように、小さい頃から帰省したり、ピクニックや海に山、人が沢山のフェスにカフェと、とにかく色んなところに一緒にお出掛けしてきたよね。 お迎えしてからの1年半で17県も一緒に旅行したんだよ。 おこめはどこに連れて行ってもみんなを笑顔にしてくれるね。またその穏やかさで、老人ホームで触れ合いのボランティアが出来るほどに適応力のある優しい子に育ってくれて、本当にママはびっくりしてるんだ。ママ自身もおこめがいてくれることで気持ちが前向きになり、病気に負けず、外の世界にも目を向けられるようになったよ。 けむくじゃらでシッポが生えていて、個性的ではあるけど、私たち夫婦にとって、おこめは大切な可愛い一人娘だよ。 おこめと出逢わせてくれたインスタグラムでは今も沢山の人たちがおこめを見守ってくれてるよ。これからもおこめが元気で過ごしていけるよう、大事に大事にするからね。おこめ、私をママにしてくれてありがとう。