まろへ

To:まろ

From:あーちゃん

一般家庭による36頭の多頭飼育崩壊現場から一時預かりの仮家として我が家へやってきた推定10歳の女の子。 ガリガリで歯はボロボロ。後足は脱臼したままの形で固まり、一本の指は骨から離れ、プラプラしていました。 抱っこすると身体を強張らせ、足を突っ張りガラスのような瞳で表情はなく、震えていたね。 ご飯を吸い込むように食べて大量の下痢をしたまろ。おしっこは急いでなめ、ウンチも踏み踏みしながら食べてしまうまろ。カーテンの影で震えながら、立ったまま眠っていました。 陽の光、風の音にも怯えるあなたは、何を食べ、どんな暮らしをしてきたんだろう…と切なくてたまらなく、ふくふくにして必ず運命の家族をみつけてあげる!と誓いました。 おいしいご飯をたべて、歯磨きにブラッシング、だっこでお散歩。ねんねしてからデッキで日向ぼっこの毎日。 まろの目が輝いて笑った日。 カチカチの身体から力が抜けて大好きなお父さんに身を委ねてくれた日。 まろ、おいで〜と呼びかけて、初めて歩いてくれた日。 愛しくて愛しくて、我が家以上に手をかけ、まろを幸せにできる家はない!と本当の子どもとして迎えることにしました。 あの日から3年半。 今、まろは父ちゃんの後追いをしてだっこをねだったり、鼻を鳴らして甘えたり、ふっふ〜とおしゃべりしたり拗ねてみたり…と沢山の感情が芽生えました。 父ちゃんのお膝や腕の中は指定席で、いつもまろがいるね。 身も心もボロボロだった無表情で無抵抗なまろは、今、間違えるようにふっくらして、いつも幸せそうに笑っています。 幸せそうなまろを見るたびに、家族の誰もが優しい気持ちで微笑みます。 まろを救ったのではなく、まろから大きな幸せをもらった我が家。 うちの子になってくれてありがとう。 まろに会えて、まろと家族になれて、本当にたくさんのことを知って、考えました。 まろの犬生はまだまだ始まったばかり。 たくさんたくさん、楽しいことをして、おいしいものを食べて、ゆっくりゆっくり生きてください。 ありがとう。これからもよろしくね。