From:しょーくん

2009 年 6 月 1 日未明、雨の中保護されたこはるをその夜わが家へ迎えました。

生後 1 カ月半くらい、体重 540 g の小さな小さな男の子。

人間に慣れておらず、顔を見れば「シャー――ァっ!」と威嚇するので、あまり姿を見られない方がいいだろうと、大きな段ボールにごはんやトイレ、タオルとともに入れて、これまた大きな段ボールで蓋をする。ごはんをあげるときや掃除のとき隠れられるように小さな段ボールでハウスを作って入れてやる。

猫との生活は初めてで、あこがれもなかったので、これはなつかないだろうな、まあいいや、と冷静に考えていました。仕事で日中は家にいないし、ごはんをあげて、ちゃんと育てよう。

やっと離乳食くらいであったので、カリカリをミルクでふやかしてあげると、ごはんはきちんと食べてくれました。そして、時折、「あおーん あおーん」と誰かを呼んでいる風に鳴きました。切なく響く声に、「はーい はーい」と答えていました。

そのまま数日が過ぎました。

こはるのしっぽは短いカギしっぽです。猫のしっぽは長いと思い込んでいたので、どうして短いのだろう? 何かあったのだろうか? と不安になってきました。それで 4 日目の夜、ついにしっぽに触れてみました。

「シャー――ァっ!」はありませんでした。そのまま撫でるように身体へ手を動かすと、コロン と寝転がりました。そして、顎をくぃっ とあげました。「撫でて」

威嚇するのは、怖いから。
寂しくて、怖かったのだろうと胸が痛みました。
ほんとうはずっと甘えたかったに違いなかったのです。

この子が安心できる環境で、大事に育てて行きたい -- そう思いました。