緊急事態宣言が全国に拡大される一週間前、2020年4月7日。 我が家のベランダ（2階）によく遊びにきていた野良猫が我が家のベランダで出産した。 緊急事態宣言に伴い、自身の営業するお店を休業し、1ヶ月間ゆっくり主婦業でもやろうと思っていた矢先だった。 我が家には妻と既に3匹の猫がおり、ベランダの住人である母猫1匹、産まれたばかりの仔猫3匹が加わり賑やかな自粛生活のスタートとなった。 妻は毎朝仕事に出かけ、僕は猫7匹の面倒をみながら夕方に買い物に出かけ、夕食を作り妻の帰りを待つ。 お店を始めて4年。 思い返せばこんなに穏やかに自宅でゆっくり過ごすことがあっただろうか。 世間の喧騒とは裏腹に一時的に家族が増え、楽しい毎日を過ごしていた。 そんな日々が過ぎ、彼らのこれからを妻と話し、彼らの里親を探すことにした。 それから少しして仔猫3匹の里親が見つかった。 彼らは幸せな家庭にもらわれていき、母猫のよしこは我が家の一員に加わることになった。 先行きが見えず、暗い気持ちで過ごすはずだった自粛期間は緊急事態宣言とともに現れ、緊急事態宣言解除とともに去っていった仔猫たちのおかげで忘れられない思い出となった。 ベランダに来てくれてありがとな、よしこ。