私の人生を変えた子

To:たまちゃん

From:satomi

実家の庭に突然現れた野良猫。 窓を開けるとシャーっと威嚇して逃げる。 ずっと犬派で猫とは縁のなかった私ですが、時々やってくるその子に家の中から手を振ってると何故か私だけには威嚇しなくなりました。 飼うつもりはなかったので、食べ物は与えずただ「おはよう」や「寒いね」って話しかけるだけ。 そんなある日、喧嘩に負けて大怪我をしてやってきました。 放置できず、ひっかかれ流血しながら捕獲して獣医さんに連れて行きました。 猫といえばたま?ってとりあえずつけた名前はたまちゃん。 ちょうど人生の大きな節目を迎えていた私はこのタイミングで猫を飼うなんて全く考えられなかったのですが、保護してしまった以上当時の私の選択肢は二つ。 飼うか元の場所に戻すか。 鬱になるほど悩んだ私にたまちゃんと生きる決心をさせてくれたのは、獣医さんの「できることはみんな違います。できる範囲のことを精一杯してあげればいいんですよ。」の一言でした。 猫に対する知識が皆無の状態で推定2歳の大人の野良猫を室内飼いするのは本当に大変でした。 あちこち悪いところも見つかり投薬も必要でした。 一日中外に出してくれと鳴いてうろうろするし網戸は登るし。( ; ; ) 心身ともに疲れ果てる毎日。 猫の腎臓に水素水がいいと聞けば水素水サーバーを購入し、少しでも外を楽しませてあげたくて猫専用のテラスを増築。 家の中の廊下にも脱走防止扉を作ってもらいました。 その甲斐あって2ヶ月後には夜はケージの中で寝てくれるまでに。 家族の協力はもちろんですが、一番頑張ってくれたのはたまちゃんです。 いきなり家の中に閉じ込められてどんなに怖かったことか。 でも私を信じて頑張ってくれました。 その頃私は関東から関西の実家に戻ってきたばかり。 また関東へ戻る予定でしたが、環境の変化は猫にとって一番のストレスだと知り関東へ戻ることを断念。 そんな私の一大決心は関東に居た彼にも大きな進路変更をさせることに。 彼も関西へ移住。 たまちゃんを保護して6年経った今年、時代が令和に変わると共に入籍し、実家近くに猫が心地よく暮らせることを第一に考えた家を建て、たまちゃんと彼と私の新生活がスタート。 リビングの陽だまりで寛ぐたまちゃんの姿に、ここまでくるのに支えて下さった周りの皆さん、私のところへ来てくれたたまちゃんに感謝の気持ちでいっぱいになります。