神様からの贈り物

To:コリン

From:とちまるこりん

2005年10月嵐の日、大阪から神祭に帰るという学生の娘と息子を迎えに行く日、車庫の前にずぶ濡れで現れた犬。顔はシェルティだけど背中からお尻には毛がありません。脇腹には怪我の跡が見られます。とりあえず車庫に入れて子供たちを迎えに。途中通行止めに合い、家に着いたのは犬を置いてから10時間経っての事でした。 私にはまだ家の中で犬を飼うという考えが無く、しばらくは車庫で世話をしました。お祭りも終わり子供たちが帰ってから娘が名付けたコリン星から来たコリンと二人の生活になったのですが気候もだんだん寒くなりやっと家に入れる事にしました。獣医にも診察を受けましたが田舎の設備も無い所では状態も分からず次第に食欲が落ち1時間かけて設備のある病院に連れて行きました。重い病気で入院し、生死の間を彷徨いました。奇跡的に退院は出来たものの心臓に疾患が残り、毎月の通院でした。その時コリンの年齢を聞いたのですが若目の10歳か、元気のない5歳という事で、今思うと元気のない5歳だったようです。 お薬が合ったのかコリンはとても元気になり犬の友達もでき毎日山に散歩に行きました。2年経った頃、夫が遠洋鮪船を降り陸の生活を始めました。船に乗っている頃から陸に上がったらコリー犬の小さい犬つまりシェルティを飼いたい夢があったそうで夫にとっても神様からの贈り物だったようです。既に子供たちも家を出て話題のない夫婦にはコリンは欠かせない存在でした。 10年後すっかり年老いたコリンは最後は私の腕の中で息を引き取りました。私が仕事から帰ってくるのを待って。 コリンとの思い出は尽きる事がありません。車で日帰り出来る所には必ず一緒でした。本当にお利口さんでみんなに可愛がられる優しい子でした。多分首輪もしていましたが何か事情があって捨てられたのでしょう。警察にも保健所にも届けがありませんでした。 コリンが旅だってからうちには保護猫が7人になりました。家の周りの野良猫さんには手術をし、車庫を開放しています。捨てられた犬や猫に興味を持ったのもコリンのおかげです。 私達はもう体力的にお世話ができないけれど若い方たちへの応援はこれからもずっとしていくつもりです。 家の中の保護猫達を見送るまでは元気にいられますように。コリンと神様に見守っていただけますように。 沢山の犬や猫達が幸せになりますように。