かけがえのない存在

To:にゃあ

From:ねこまま

ハチワレのオス10歳。出会いはお風呂屋さんへ行く道のり、足に飛びついてきたので可愛くて抱き上げました。肩に顎を乗せて気持ちよさそうにしてくれたと思ったら降りたがったので降ろすと、隅っこで眠り始めそのままにしておけずお風呂に行くのをやめ自宅へ連れて戻りました。よく見ると両方の鼻から黄色の鼻水が口まで垂れていました。台風のせいで風邪をひいたのでしょう。その頃の主人は猫に対して「食べて寝るだけの生き物」という存在でした。野良猫は「ばい菌だらけで汚い」ものでした。連れて帰っても「捨ててこい!」と怒られるのを覚悟しましたが、まだ子猫だったのと私の猫好きに免じて病気を治して里親を見つけるまでの期限付きで飼うことを許してくれました。しかし、部屋の中には入れてもらえず日中はベランダ、夜は脱衣所で過ごしていました。ですが、子猫は機嫌よく過ごしてくれていました。主人はお風呂に入るため脱衣所に行くと「おっ!にゃあ元気か!?」と話しかけるのが日課になっていました。風邪も治り里親探しをせかされていましたが、ある日帰宅すると思いもかけない光景がありました。なんと主人がソファに座り膝に子猫を抱っこしているではありませんか。「部屋に入れていいの?」と聞くと、「うん」と「もしかして飼っていいの?」と聞くと「しゃあないやろ」と言ってくれました。私は嬉しくて万歳三唱しました。そして、心の中でガッツポーズをしました。実は最初から飼うつもりで里親探しはしていませんでしたから(笑)にゃあと呼びかけていたので名前はにゃあにしました。それからはキャットタワーやらおもちゃやらを揃え、ドライブや旅行にもにゃあを連れて行ってくれました。その半年後、生後3日のオスメスの兄弟をなんと主人が保護しました。その半年後、私にがんが見つかりました。にゃあ達の存在が私を強くしてくれ、なんとか生き延びております。その半年後、にゃあが右前脚を骨折しました。私はトイレとお風呂以外付きっ切りで看病しました。2ひきの兄弟猫たちもそっと見守ってくれました。今は4匹に増えにゃあも元気に走り回っています。主人に「猫を好きになれて良かった?」と聞くと「うん!」ですって(笑)