AWGs みんなで考えたい、動物のこと。

2022.05.05

秘めた能力を解放させよう

「動物介在活動」最終回 犬の秘められた能力

キャリアチェンジ犬

今回の記事のテーマでもある、犬の秘められた能力。
その能力を解放させて社会で人をケアする介在犬と、介在犬と共に日本の最先端で活動される専門家の皆様を取材してきました。そんな専門家の皆様に、犬の秘められた能力とは一体なんだと思うのか、特に印象的なエピソードと共にお話しして頂きました。

先入観を持たない

水上:「区別も差別もせずに人と接することが出来るのが犬の凄いところです。人を癒すために犬が無理をすることはあってはならないので、勤務先の打診があった時、最初は上手く行くのか心配な気持ちがありました。勤務犬ミカが初めて病院にトレーニングに出向いた時、患者さんはもちろん医師や看護師、お掃除のスタッフさんにも分け隔てなく全力で尻尾をふって挨拶にいきました。付添犬であっても、犬としての仕事はただそこにいるだけ。ただその事を全力で楽しむ才能があります。人だと全力で向き合おうと思ってもどうしても時間を気にしたり先入観を持ったり頭で考えてしまいます。敏感な子どもはその事に気づいてしまいます。犬はどんな子どもでもかわいそうという目で絶対に見ません。撫でてもらって喜びリラックスする、そのリラックスが子供に伝わっていきます。
 また、犬は人の心の内を引き出せる気がします。傷ついた子どもの中には、怒りすらぶつけられず辛い事を隠そうとする子もいます。親ですら子どもの小さなサインは見落としてしまいますが犬にはそのサインが分かるのではないでしょうか。子どもも、ただ寄り添うだけの犬を信頼し、自分の感情をだしてくれるようになります。」

まっすぐで嘘がない

吉澤:「素直で何に対してもまっすぐで嘘がない所が犬の優れた能力だと思います。擬人化はしませんが、誰に対しても能天気にフレンドリーに寄ってきてくれるのは誰でも嬉しいものではないでしょうか。犬に触れて可愛いな、温かいなと思うとオキシトシンが出やすくなるともいいます。」

人と人とを繋ぐ力

新井:「病院の独特な雰囲気をなくそうと、絵を飾ったり様々な工夫をしますが、緊張感はとれません。しかし犬が病棟を歩いている。それだけで誰もが明るくなるしリラックスできます。犯罪被害にあった子どもの場合、被害を話すのが嫌で病院に来ること自体が出来ません。しかしHPのハチくんの写真を見て、犬がいるなら勇気を出して行ってみようかなと治療を受けに来てくれます。
この時、犬がいる必要はもちろんありますが、犬だけでなく犬と一緒にいる医療関係者との関わりが子どもにとっては大切です。心が傷ついた子どもにとっては、優しい大人すら怖く見えてストレスで近づけない。でも怖く見えた医療関係者が犬の前ではいい笑顔になったりする。そうなると子どもも話しやすくなります。犬経由で大人と話すと、自分の気持ちが素直に話せ、犬に触れることで人にも甘えたい気持ちが強くなってきます。犬の力を借りなければ出来ないことです。スキルの問題ではないので、僕たち人だけでは到底無理です。」

人が持つ優しい気持ちを引き出す

新井:「人は本来怖い人ばかりではなく、いい人もたくさんいると大人は分かりますが、子どもの場合、最初に触れた身近な大人が怖いとそれが世界の全てになってしまいます。
全ての人が怖くて怯えているため、何もしてあげることもできません。
もともと子供には、優しいきもち、甘えたい気持ちがあります。人に対して警戒心や恐怖心が勝ってしまう子どもでも犬に対してはその気持ちを素直に出すことが出来ます。」

介在犬モリス活動中
病院で患者さんに寄り添うモリス

5回にわたる、これまでの記事を読んで下さった皆様には、犬が本来持つ能力を生かして人をケアすることが出来ること。それは人対人では到底難しく、犬だからこそ出来るということが伝わったのではないかと思います。
日本でも医療や福祉の場において犬が活躍できる機会が少しづつですが、広がりつつあります。

しかしながら、犬が人の為に活躍することに消極的な意見もまだまだ存在しています。犬を使って人のケアをするなら、人で人をケアすればいいのではという意見や、人のために犬が我慢をしているのではないかという懸念の声を聞くこともあります。

この意見について、専門家の皆様に率直なお考えを伺いました。

犬がリラックスして初めて人も癒される

水上:「そもそも犬が犠牲になって、人が心地よくなるとはおもっていません。犬がリラックスした状態になって初めて人が癒せるからです。介助犬やDI犬はパピーウォーカーから始まりキャリアチェンジをしたりと環境が幾度と変わることがあります。環境が変わっても落ち込むわけでは決してなく、大好きな人がどんどん増えていくのを純粋に喜んでいるように見えます。」

無理はしていない、常に自然体

新井:「犬が緊張していると子供も緊張しますから犬に無理をさせることはありません。また犬が苦手な子どもももちろんいるため、カルテにマークをしたり名札につけたりと配慮をします。しかし苦手と言っていた子どもでも気がつくと自分からハチくんに近寄っていきます。ハチくんは、普段はスタッフルームにいて待合室に出すことはせず、呼ばれた時に待合室に行きます。しかし少しでも扉の音がすると飛び起きて待合室に行きたそうな素振りを見せます。人と関わりたくて仕方がないのだと思います。人のように仕事のオンオフがあるわけでもない。常に自然体です。」

介在犬は無理をすることも我慢をすることもなく、常に自然体にまっすぐに、与えられた役割を楽しんでいます。犬たちがストレスを感じるような状態では人も元気をもらったり、幸せになることは出来ず、犬たちがリラックスしている姿を見て初めて私たち人も癒される。
それは介在犬だけではなく、家庭における犬たちにもいえることではないでしょうか。
愛犬がその魅力を思う存分発揮できる環境を私たち飼い主が整える必要があります。

今回介在犬の活動について知っていただくことで、犬たちの素晴らしい能力について再認識いただけたらと思います。そして今後とも社会で能力を発揮しながら働く介在犬の応援をどうぞ宜しくお願い致します!


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