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2022.05.02

秘めた能力を解放させよう

「動物介在活動」第5回 日本初 少年院での動物介在教育矯正プログラム

動物介在教育(AAE)とは、学校をはじめとした教育現場において、動物を介して命に対する敬意や思いやりの心を育むことや、学習意欲の向上をもたらすことを目的に行われる教育活動のことです。アメリカでは、受刑者が犬や猫の世話をすることで社会復帰を目指す刑務所がいくつも存在しています。ワシントン州にある重犯罪者用の女性刑務所では、受刑者がアニマルシェルターに保護された犬を育成しセラピードッグなどに育てるプログラムが行われています。

日本でも2014年に、少年院に入院している少年が、飼い主がいない保護された犬を訓練する、動物を介在した矯正教育プログラムが初めて誕生しました。矯正教育プログラムを行っているのは、公益社団法人ヒューマニン財団です。このプログラムはGive Me a Chanceの頭文字を取っており、GMaC(ジーマック)プログラムと名付けられています。

GMaCプログラム:少年たちの社会復帰を手助けする犬たち

GMaCプログラムは、2014年度よりスタートしました。動物愛護センターに保護された飼い主のいない犬をヒューマニン財団が引き出しています。ドッグトレーナーが犬のそれぞれ個性や特性を見極めGMaCプログラムに参加できる犬を選びます。犬たちはドッグトレーナーと共に千葉県の八街少年院に出向き、そこにいる少年たちが犬と共にプログラムに取り組みます。少年たちは、1人につき一頭の犬をパートナーとして振り分けられます。教科書を使った座学や「おすわり」や「待て」などの一般的なトレーニングの他にも、歯磨きやトイレ、ブラッシングなどのお世話も行います。また中間、期末テストの実施もあります。1回のプログラムの期間は約12週間、1週間に4回の授業を行います。

ヒューマニン財団のセンター長でありドッグトレーナーである吉澤さんに少年たちが犬と関わることで具体的にどんな変化があるのかお話しを伺いました。

吉澤:「少年院では規則正しい生活を求められるのはもちろんのこと、一列に並んで移動し無駄話をすることもできません。そんな中、少年たちは犬との触れ合いを楽しみにしています。

少年たちの中には複雑な家庭環境で育ち人が信じられなくなっていたり、自信を失ったりしている場合が多く、一頭の犬と向き合い世話をすることにより信頼しあうことの素晴らしさや責任感の大切さを知り、トレーニングに取り組むことで自信を取り戻していきます。

少年院からもGMaCプログラムについて高い評価をいただいており、プログラムを実施する頻度を増やせないかという要望もありました。最初犬と触れ合うことに対して緊張していたり怖がったりしていた少年も、次第に積極的にプログラムに参加するようになります。初めて犬に対して訓練を行った少年が、犬と関わることに慣れておらず犬との意思疎通が上手くいかなかったことがありました。落ち込んだ様子も見られましたが、どうやったら訓練が上手くいくのかを試行錯誤しながら、予習や復習に積極的に取り組んでいました。試験前にも熱心に勉強をしていました。プログラムの中で、犬との触れ合いを楽しみながら目標に向かって真剣に取り組むことで自信をつけていく様子がわかりました。」

少年の愛情を受け犬達も秘めた力を解放させる

犬と関わることで、社会復帰を目指す少年たちですが、犬達も同様に少年たちと関わることで人への信頼を取り戻し一般家庭でまた暮らせるようになるまでに社会性を身につけることができます。

吉澤:「GMaCプログラムに参加するのは、皆なんらかの理由で動物愛護センターに収容された犬たちです。GMaCプログラムに参加する前は盲導犬の育成に関わっていましたが、例えば盲導犬は生まれた時から適切に管理され、約2ヵ月齢からPW(パピーウォーカー)の元で社会化が行われ、愛情をかけて育てられます。そして、一歳を過ぎると盲導犬のトレーニングが始まります。

一方でGMaCの犬たちはスタート地点から全く違います。どんな環境で育ってきたかも分かりませんし、人に対して恐怖心があり、中には外に出ることすら怖がる犬もいます。

(3ヵ月のプログラムなので過度に恐怖心や不安が高すぎない犬を選定しますが)それぞれ課題のあった犬たちはプログラムが終わった後、人への信頼を取り戻し新しい家族のもとに旅立ちます。既に48回ものトレーニングを受けているので、新しい家族との生活にもスムーズに順応出来ます。」

かつては人を怖がっていた犬達が、少年たちとの関わりによって本来の犬の能力である、人と通じ合い人を愛する力がまた目覚め、その力を解放させることができる。そして傷ついた少年たちの心を癒し、一般の家庭でも家族を癒すことができるようになるのです。

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